マレーシアのベンチャーファンド、RHLベンチャーズの共同創業者レイチェル・ラウ氏にとって、幼少時代の最も鮮烈な思い出の一つは新聞の匂いだ。ラウ氏の父はクアラルンプールで毎日車で学校に送ってくれたが、まだ眠いラウ氏に新聞を開かせ、株価チェックと暗算をさせることが日課だった。

  「父は『クアラルンプール・ケポン株はどうだった?分かった。株価が4セン上昇し、8万9000株を持っているとしたら、私はどれぐらいもうけたのか?』などと聞いてきたものだった」とラウ氏は振り返る。この日課はラウ氏が十代になるまで続いた。

左より、ライオネル・レオン氏、ラジャ・ハムザー・アビディン氏、レイチェル・ラウ氏、ジョン・ウン・パンギリナン氏。
左より、ライオネル・レオン氏、ラジャ・ハムザー・アビディン氏、レイチェル・ラウ氏、ジョン・ウン・パンギリナン氏。
Photographer: Calvin Sit/Bloomberg

  ラウ氏の父、ラウ・ブーン・アン氏は不動産業に加え、世界最大のゴム手袋メーカーになったトップ・グローブなどの企業への投資で資産を築いた。またある日には、父は幼い娘と空き地の前に立ち、そこでニワトリが走り回るを眺めるのではなく、ビルが建つのを想像するよう要求することもあった。

  現在31歳のラウ氏は、RHLベンチャーズのミレニアル世代の共同創業者3人のうちの1人だ。他の2人は、マレーシアの著名政治家・実業家の息子であるラジャ・ハムザー・アビディン氏(29)と、不動産業界の大物を父に持つライオネル・レオン氏(29)。3人は家族の資産を使ってRHLを設立し、外部から資産を集める計画で、東南アジアをリードする独立系投資グループに成長させることを目指す。

  ラウ氏は「東南アジアには目立ったブランドが存在しない。KKRもフィデリティもない」と話す。「最終的には複数の商品を提供するファンド会社になりたい。ベンチャーキャピタルはその最初の一歩だ」と述べた。

  RHLは昨年の創業以来、新興企業2社に出資している。その一つはシンガポールに本拠を置く小売り関連アプリ会社Perxだ。ラウ氏はPerxの取締役で、取締役会会長はフェイスブックの共同創業者エドゥアルド・サベリン氏が務める。

  先月、RHLには4人目のパートナーが加わった。不動産業界の大物の孫であるジョン・ウン・パンギリナン氏だ。ウン氏(37)はこれまで約10事業を創業した経歴を持つ。

原題:Rich Gen-Y Asian Kids Pool Family Fortunes to Build Venture Fund(抜粋)

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