米ルイジアナ州を昨年12月下旬に出発した液化天然ガス(LNG)タンカーは、LNGの世界貿易の変化を象徴している。LNGは中南米や中国、インドなどの国々でますます、割安かつ大気汚染度の少ない燃料の選択肢と見られている。

  タンカー「マラン・ガス・アキレス」はパナマ運河を通過し、速度20ノットでアジアに向かっていたが、太平洋で突然Uターンした。その後、メキシコのマンサニージョ港に寄港し、積み荷を降ろした。

  この突然の航路変更は、かつてはほぼ全てが目的地が設定された長期契約だったLNG業界で、昨年シェールガス輸出を開始したばかりの米国が新たな枠組みを構築しつつある実態を示している。米シェニエール・エナジーなどの新規参入の米国の天然ガス輸出業者は常に最良の価格を求めている。米国の輸出が拡大する中、こうした戦略は、LNG市場を原油に類似したスポット市場に移行させる可能性がある。

  船舶ブローカー、ポテン・アンド・パートナーズのビジネスインテリジェンス責任者、ジェーソン・フィール氏は電話インタビューで、「米国は直前の通知でも適正価格でガスを届けている。柔軟性がある。LNG市場は短期的なものに移行しつつあり、米国はこうしたニーズに非常に効率的に対応している」と指摘した。

  英コンサルタント会社エナジー・アスペクツによれば、米国は2020年までに世界3位のLNG輸出国となり、輸出能力は日量約83億立方フィートと、世界シェアの14%を占める見通しだ。

タンカー「マラン・ガス・アキレス」の航路
タンカー「マラン・ガス・アキレス」の航路
Bloomberg

  
原題:Tanker’s U-Turn Shows How Shale Boom Is Changing World Gas Trade(抜粋)

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