「冬のホワイトハウス」、トランプ氏は誰でも歓迎-住民とは摩擦も

  • トランプ氏は85年に「マーアーラゴ」を買収
  • 白人のエリート層が好むこの地でトランプ氏のスタンスは異端

米フロリダ州パームビーチの信じ難いほど細長い地形の一角にあるのが「マーアーラゴ」だ。富豪のマージョリー・メリーウェザー・ポストがかつて住んでいたコロニアル風の邸宅で、今はドナルド・トランプ氏が所有している。そう、米国の現職大統領だ。

  パームビーチには「ビーチクラブ」や「バス・アンド・テニスクラブ」、「セイルフィッシュクラブ」といったアングロサクソン系のエリート層が好むような建物が建ち並ぶ。トランプ氏がクラブとして運営してきたマーアーラゴは、多くの意味でこの地では異端だ。

マーアーラゴ(2016年12月30日)

Photo by John Roca/NY Daily News Archive via Getty Images

  パームビーチで古くからあるクラブの運営スタイルとは全く違い、トランプ氏はオープンかつ誰でも受け入れるというビジネスモデルを採用。ユダヤ教の儀式や結婚式、慈善事業イベントにもマーアーラゴのスペースを貸し出した。金銭的な余裕さえあれば、誰でも冬のホワイトハウスを利用できる。

  パームビーチについての著書もある作家ローレンス・リーマー氏は「トランプ氏が行った人生最大の善行だと思う」と述べ、「この地を開いたのは彼だ。ユダヤ人もゲイも、アフリカ系の国民も歓迎した。ゲイ同士の結婚式さえあった」と説明する。

マーアーラゴを臨む

Photo by John Roca/NY Daily News Archive via Getty Images

  トランプ氏がマーアーラゴを買収した1985年以降、この建物は同氏とパームビーチ住民の火種となっている。73年に亡くなったポストはマーアーラゴを「冬のホワイトハウス」として米政府に寄贈。だがその後、ニクソン、フォード、カーター大統領がポストの遺志を受け入れることはなかった。英国の小説家マーティン・エイミス氏は79年のエッセーで、「パームビーチの上流社会は不可解で面白み味がない」と記し、この町は「特に解き明かしたいとは思わない謎」だと評した。

マーアーラゴのプ-ル(2013年2月17日)

Photo by John Roca/NY Daily News Archive via Getty Images

 
  マーアーラゴは81年にポスト財団に戻され、トランプ氏が値引き交渉の結果、買い入れた。伝えられるたところによると、買値は800万ドルだったという。トランプ氏は当時の夫人と引っ越してきた。リーマー氏は「厚かましいトランプ氏はここでは全く好かれなかった」と話す。

  トランプ氏とパームビーチ当局は90年代、数々の訴訟で争った。閉鎖的なこの町で、オープンなビジネススタイルのトランプ氏は不当に標的にされていると主張したという。

マーアーラゴのタイル貼りの中庭

Photo by John Roca/NY Daily News Archive via Getty Images

  パームビーチ当局は2006年、クラブの敷地内に大き過ぎる旗を掲げたとして1日当たり1250ドルの罰金をトランプ氏に科した。反訴と和解を経てトランプ氏は10万ドルを寄付することで合意したとサン・センティネルは伝えている。大統領選挙の活動中でさえ、トランプ氏はパームビーチ空港の飛行経路がマーアーラゴ上空に設定されているのはいじめだとして提訴した(後にトランプ氏はこの訴訟を取り下げた)。

  パームビーチにある多くのクラブは制約の多い会員制で、それを悪びれることもない。セイルフィッシュクラブのジョン・ニューマン総支配人は「差別しているわけではない。クラブに全幅の信頼を置いているだけだ」と述べる。マーアーラゴにコメントを求めたが返答はなかった。

マーアーラゴ

Photo by John Roca/NY Daily News Archive via Getty Images

  パームビーチの一部住民にとって、マーアーラゴとトランプ氏の評判は好ましいものではない。だがリーマー氏は言う。「マーアーラゴに行くことを拒否する人がいるのは知っている。彼らは最悪と言うが、私とってはパームビーチで最もエキサイティングなクラブだ」。

原題:Anyone Can Be a Member at Mar-a-Lago (抜粋)

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