低金利が続くなか、高利回りのJリートや不動産株に国内資金が堅調に流入している。日本銀行の超金融緩和の一環とした日銀のJリート投資口の買い入れに支えられて、相場は底堅く推移するとの期待が背景にあるようだ。

  ブルームバーグがまとめた指数連動型上場投資信託(ETF)のデータによると、Jリートや不動産株への資金流入額は今年は約3億ドルで、2番目に大きいセクターの金融株の14倍に達している。米国の利上げ観測など金利の先高観が出てきたものの、Jリートの高い配当利回りは国内債券と比べると依然高く、国内投資家は利回りの乗った商品への選好を強めている。

  SMBC日興証券の鳥井裕史アナリストは、ブルームバーグの英語インタビューで、米大統領選挙後、株式市場が強くリートへの純流入額は小さかったとした上で、12月以降は、配当利回りが非常に魅力的なJリートに資金が戻っていると語った。

  Jリートへの投資妙味を高める一因である日銀のJリート買い入れは年間約900億円のペースで行われている。不動産証券化協会のデータによると、16年末までの累計で3590億円。日銀が保有するJリートの時価は昨年9月末時点で4260億円(簿価3355億円)で、当時のJリート市場の時価総額(11.7兆円)の3.6%に達した。昨年5月には12銘柄について保有比率が5%を超え、年末時点では15銘柄で超えたとしている。

  一方で、金利の先高観や個人所得の伸び悩みなどでマンション販売が落ち込むなど不動産市況の軟化の兆しも出てきている。新築マンションの売れ行きは2015年後半から弱くなり16年に入り一段と低迷した。不動産経済研究所の調査では16年の契約率は月間平均が68.8%で、リーマンショック直後の09年(69.7%)以来の6割台で販売の好不調の目安とされる7割を下回った。

  Jリートに対しても、東京証券取引所は昨年12月、上場審査の運用を明確化した。証券会社や発行体に対し想定価格や仮条件、公開価格の算定根拠に関する書類を提出するよう文書で明記。配当に相当する収益分配金についても「経済環境などの変化に適切に対応可能な状況かどうかも確認のポイント」との文言を新たに盛り込んだ。

  ただ、日銀のJリート買い入れや国債利回りがゼロ近辺の水準で続くとのシナリオを前提に、SMBC日興証券では引き続き東証REIT指数の先行きについては強気だ。鳥井氏は、個人や地銀が高い分配金を得るためにJリートを積極的に買っており、下値リスクは限定的だと語った。

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