日本の金融機関や企業によるドル債発行が再び加速している。昨年末の米長期金利上昇が一服したのに加え、国際的な資本規制への対応からメガバンクの起債が活発化している。

  ブルームバーグのデータによると、年初来の国内発行体のドル債起債額は184億ドル(約2兆円)と、同期間としてはデータでさかのぼれる1999年以降で最大。三井住友フィナンシャルグループが約40億ドル調達するなどメガバンク3行で全体の半分以上を占めたほか、JR東海やオリックスも起債している。

  昨年11月にドナルド・トランプ氏が米大統領に選出されて以降、米長期金利が急上昇し、同月と12月のドル債発行は前年比で約半減したが、年明け以降は金利の上昇は収まった。さらに国際的な銀行の健全性を強化する総損失吸収能力(TLAC)規制への対応債券の発行ニーズも強く、外債調達が再度活発化している。TLAC対応債は規制対象のメガバンクが発行し、運用難の地方銀行などが購入する構図だ。

  地銀にとってTLAC債を保有した際のリスク算定の国内ルールが不透明であり、野村証券デット・キャピタル・マーケット部の高橋正平マネージング・ディレクターは、「国内投資家を対象とした発行は難しい」と指摘。その分、海外投資家を対象にしてドル債を増やしているとみている。今後は日本企業の海外事業拡大に伴い「外貨需要はすう勢的に増加していくので、中長期的にはドル債発行が増加する」との見方を示す。

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