モノやサービスを含む海外との総合的な取引を示す経常収支は、1月速報で31カ月連続の黒字となった。市場予想は下回った。財務省が8日発表した。

キーポイント

  • 経常収支は前年同月比88.9%減の655億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は2700億円)-黒字幅の縮小は8カ月ぶり
  • 輸出と輸入を差し引いた貿易収支は赤字幅が同97.7%増の8534円の赤字(予想は8002億円の赤字)-赤字は12カ月ぶり
  • 輸出は2.9%増の5兆5173億円、輸入は10.0%増の6兆3707億円
  • 海外配当金や債券利子などの第1次所得収支は5.4%減の1兆2655億円

背景

  世界経済は堅調に推移しており、輸出の基調は好調という見方が強い。ただ昨年は2月から始まった中国の春節が今年は1月に前倒しになり、中国向け輸出が本来よりも伸び悩んだ。国内でも年末年始で休日が多いという季節性がマイナス要因となった。昨年11月の石油輸出国機構(OPEC)減産合意後の原油価格の上昇も輸入に影響している。

  政府は2月の月例経済報告で「一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」との景気判断を維持した。一方、先行きについては「緩やかに回復していくことが期待される」としつつ、「海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある」としている。

エコノミストの見方

  • 第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは6日の取材で、在庫調整の進展や中国の景気対策を受けて好調に推移する世界経済を背景に1月は「高水準の経常黒字が続く」と見る。春節による輸出減は「一時的な要因」として、2月や3月の数字と合わせて見る必要があると説明した。
  • 今後の見通しについて新家氏は、堅調な輸出が黒字拡大要因、原油価格の上昇が黒字縮小要因として働く中で、「方向感は出づらい。基本的には高止まりが続く」と予想する。円安の進展で円換算の受け取りが増えるため、所得収支は増加するとも話した。
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