トランプ氏の新大統領令、以前とはどこが違う-Q&A

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トランプ米大統領が6日署名した入国制限の新大統領令は、適用の対象者を減らすことで法廷で異議申し立てを行う人々の範囲を狭めた。それでも、訴えが起こされることはほぼ間違いない。

1.旧大統領令からの変更点は?

  イラクが除外され、対象国がイラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの計6カ国となった。また、難民受け入れの一律120日間停止に変わりはないが、前回特別に盛り込んだシリア難民の受け入れ無期限停止を取りやめた。グリーンカード(永住権)保有者や、大統領令の執行日以降に入国許可を得る人、それ以前に亡命を認められた人、既に合法的にビザを取得している人は適用の対象外だ。

2.旧大統領令で永住権保有者は適用外ではなかったのか?

  当初、それは明瞭ではなかった。旧大統領令が出されて間もなく、米国内外の空港で混乱が生じ、ホワイトハウスのマクガーン法律顧問が永住権保有者は再入国ができると説明した。

3.新大統領令に異議を申し立てる法的権利は誰にでもあるのか?

  恐らく。憲法上は米国民や米国内にいる人々にその権利があると解釈されるが、連邦高裁は旧大統領令が米国の住民ないし組織に関係する外国人の権利を侵害するリスクに言及し、入国を試みる外国人配偶者のために米市民が提訴できる可能性を残した2015年の連邦最高裁の判断を引き合いに出した。さらに、合法非合法を問わず、米国内の誰もが自らの自由や財産を奪われる前に法にのっとった適正手続きを受ける権利があることを最高裁が明確にしたとも同高裁は指摘した。

4.連邦高裁の判断は新大統領令にどう反映されたか?

  高裁は旧大統領令について、トランプ政権による対象国選別の理由が十分ではないとし、現在の入国手続きがテロリストの脅威への対応に不十分な具体事例や、対象国の市民が米国内で連邦法を犯した証拠の提出を求めた。新大統領令は6カ国それぞれのテロ活動への関連を詳しく説明。イラク難民2人とソマリア難民1人が米国で最近起きたテロ関連犯罪で有罪となったことや、300人余りの難民が連邦捜査局(FBI)のテロ捜査の対象となっている現状も明らかにしている。

5.連邦裁判所のどの判断が依然問題か?

  旧大統領令への異議申し立ての審理を行ったバージニア州の連邦裁判事は、イスラム教徒の入国禁止ではないとの政権側の説明に説得力はないと判断した。トランプ大統領が15年に「イスラム教徒の米国入国に対する全面的かつ完全な閉鎖」を求めたからだ。こうした過去の発言は、政府が特定の宗教に肩入れしたり宗教を理由に差別したりすることを禁じる憲法条項に大統領令が違反しているとの懸念を引き起こす。

6.そうした懸念に新大統領令はどう対応しているのか?

  対象国とテロとの関連性の詳細説明に加え、宗教上の少数派に属する人からの難民申請に優先対応するとの条項を削除した。旧大統領令にあった同条項は一部で、イスラム圏の国々のキリスト教徒を優遇するものだと解釈された。

7.新大統領令への異議申し立てはあるか?

  ほぼ一致した見方は、いかなる内容であろうと反対派は執行差し止めを求めて引き続き提訴するというものだ。

原題:What New Trump Travel Ban Means for Legal Battle: QuickTake Q&A(抜粋)

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