債券相場は先物中心に上昇。日本銀行の長期国債買い入れオペによる良好な需給環境を背景に買いが優勢だった。この日の30年債入札を波乱なく終えたことも買い安心感につながったが、超長期ゾーンは来週に20年債入札を控えて次第に軟化に転じた。

  7日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比6銭高の150円65銭で取引を開始した。午後は一段高となり、150円71銭と昨年11月以来の高値を付け、結局は11銭高の150円70銭で引けた。13日に3月物の最終取引日を控える中、先物市場では限月交代に向けた動きが出ており、6月物の売買高は3月物の半分近くに増えた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、30年債入札について、「可も無く不可も無く無難に終わった。必要な人たちが淡々と買った印象」と指摘。「日銀のオペや3月の大量償還など需給要因は全て良好な状態が月内は続いていく」とした上で、「3月の米利上げがほぼ織り込まれている状況下で大きく米金利上昇・円安が進まないとなると、フランス大統領選など欧州政治の不透明感で円高圧力がかかる可能性が意識されて、3月は基本的に売られるよりも買われやすい」と見込む。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から横ばいの0.07%で寄り付き、午後に0.5ベーシスポイント(bp)低い0.065%に下げた。

  一方、超長期債は買い先行後に売り優勢。新発20年物159回債利回りは一時1.5bp低い0.625%まで下げた後、0.65%を付けている。30年物53回債利回りも1bp低い0.825%を付けた後、0.855%まで売られた。新発40年物9回債利回りは2.5bp高い1.015%と、1%台に乗せている。

  超長期債の軟化について、JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「30年債入札はすこし弱いぐらいで終わったが、そこから先、買いが続かなかったもあり、業者が投げているのではないか」と説明。「超超長期は買い入れ額を減らすなど、日銀のサポートがだんだん減ってきていることもあり、超長期の需給はいいとは言えない」と述べた。

30年債入札

財務省
財務省
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  財務省がこの日に実施した30年利付国債の価格競争入札は、最低落札価格が99円30銭と、市場予想の99円35銭を下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.14倍と、前回の3.23倍から低下。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は19銭と前回の27銭から縮小した。

  今月の国債入札は14日に20年債、22日に40年債がそれぞれ予定されている。

30年債入札結果はこちらをご覧下さい。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「超長期債は年度末にかけて底堅く推移するだろう。すでに足元まで金利低下が進んでいるので、目先は上値が重くなる可能性はある」とみる。一方、「5年ゾーンの需給逼迫(ひっぱく)は相変わらずだ。短期債の良好な需給が中期ゾーンにも波及している。10日の日銀オペで残存3年超5年以下は5年債入札の直後とあって、前回の4000億円から減らしにくいのではないか」と話した。

  日銀は8日の金融調節で残存期間「5年超10年以下」と「10年超」を対象とする長期国債買い入れオペを実施し、10日には「1年超5年以下」と「10年超」の国債買い入れを行う予定だ。

オペ実施日の事前公表についてはこちらをご覧下さい。

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