入国制限をめぐる闘いの第1ラウンドで敗北を喫したトランプ米大統領は第2ラウンドに臨もうとしている。連邦裁判所は1月の入国禁止令の執行を差し止めたが、トランプ大統領が6日署名した対象者を狭めた新たな大統領令にも訴訟が提起されるだろうと法律専門家は指摘する。

  宗教に基づく違法な差別だとする訴えなどに今回の大統領令が対抗できるかどうかが重要な点だ。専門家らは、最終的に最高裁判所が判断を下すことになる可能性があると指摘する。

  1月27日の入国禁止令に代わる新たな大統領令では、前回、90日間の入国禁止の対象とされた7カ国からイラクが除外されたほか、難民受け入れを一律120日間停止するとし、前回特別に盛り込まれたシリア難民受け入れの無期限停止を取りやめた。グリーンカード(永住権)とビザ(査証)保有者も入国制限の適用外とされた。

  米政府は今回の新大統領令公布に当たり、旅行者向けの一問一答形式の文書を作成するなど、前回よりも詳細な説明を用意した。

  ニューヨーク州立大学オルバニー校のスティーブン・ワズビー名誉教授(法学)は「この文書に十分に明確な内容が盛り込まれたため、移民政策など特に外交問題に関して全般的に行政府を尊重する立場の判事を満足させる可能性がある」と指摘した。

  しかしこうした見直しにもかかわらず、入国制限に反対する人たちは新大統領令も実質的にはイスラム教徒の入国禁止にほかならないと主張する。また憲法上の問題の幾つかは是正されてないとの指摘もある。
  
  米自由人権協会(ACLU)の移民権利プロジェクト・ディレクター、オマール・ジャドワット氏は「トランプ政権は当初のイスラム教徒入国禁止令は抗弁不可能と認めた」とした上で、「残念ながら、これに代えて対象を狭めた措置も同じ致命的な欠陥を有している」と語った。

  ACLUと同様、前回の入国禁止令に執行差し止めの申し立てを行ったニューヨーク州のシュナイダーマン司法長官は6日の声明で、「イスラム教徒を差別する意図は引き続き明らかだ」として新大統領令にも異議申し立てを行う用意があると表明。同じく前回申し立てたワシントン州のファーガソン司法長官は、次の法的措置を決めるため自身のオフィスが新大統領令を検討していると述べた。
  
原題:Trump’s New Ban Less Restrictive But Likely to Face Suits (1)(抜粋)

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