ドイツ銀行のジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)は、「顧客の数を減らし、コストを圧縮する」という聞き覚えのある号令の下、1年前に分離した投資銀行とトレーディング部門を統合して元に戻す決断を行った。

  2015年からCEOを務めるクライアン氏は5日、統合後は法人顧客により重点を置き、資産運用会社など機関投資家の顧客ベースを減らす方向を目指すと語った。米銀ゴールドマン・サックス・グループ出身のマルクス・シェンク最高財務責任者(CFO)とグローバルマーケッツを統括するガース・リッチー氏が、新部門の共同責任者となる。

クライアン最高経営責任者(CEO)
クライアン最高経営責任者(CEO)
Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

  11年の段階で機関投資家からの収入は、法人顧客の約2倍に達していたが、ドイツ銀はヘッジファンドや他の金融機関から法人顧客に軸足を移し、新部門のバランスシートの約3分の2を法人顧客に振り向ける。シェンク氏とリッチー氏はそれと並行し、昨年加速した市場シェア縮小の阻止と18年までに7億ユーロ(約845億円)のコストを削減する計画を両立させる責務を担う。
  
  クライアンCEOは顧客に直接対応する仕事に投資する一方、新部門のバックオフィス(事務管理部門)のポストを削減すると説明した。ドイツ銀は投資銀行とトレーディング、トランザクションバンキングの3つの分野で法人顧客を増やすことを目指し、新部門のリスク加重資産に法人顧客が占める割合を現在の55%から65%に引き上げる。プライムブローカレッジ業務の拡大を通じてヘッジファンドの要求に応えてきたこれまでの取り組みが大きく転換することを意味する。

  アトランティック・エクイティーズの銀行アナリスト、クリストファー・ウィーラー氏(ロンドン在勤)は「ジョン(クライアン氏)が言おうとしているのは、他の銀行や金融機関のために駆けずり回る銀行になるのではなく、『われわれは欧州最大のコーポレート市場に位置しており、その一部となることをわれわれは望む』ということだ。それはより安定したビジネスにつながる」との見方を示した。

原題:Deutsche Bank Reunites Traders With Bankers in Cost-Cut Mission(抜粋)

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