昭和電工:子会社の会計問題で社債利回り上昇-決算延期で東芝を連想

子会社の売り上げ計上の問題で決算発表を再延期した昭和電工の社債利回りが、急上昇している。決算延期で混乱を招いた東芝の印象が市場に残っており、相次ぐガバナンス問題に対して市場の反応が大きくなっているとの見方がある。

  ブルームバーグのデータによると、昭和電工の社債(2022年償還)利回りは1日の37.2ベーシスポイント(bp)から3日には72.6bpと倍近くに拡大した。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると国内社債の平均利回りは24bp。今後償還を迎える昭和電工債の合計は現在520億円。

  昭和電工は1日、子会社の売り上げ計上をめぐる監査法人の調査が長引いたため、16年12月期の決算を延期すると発表。同社は、先月13日にもこの問題で決算を延期していた。発表によると、昭和電工傘下の昭光通商の子会社と特定の顧客との取引において、代金決済は行われていたが、物品の取引が実際にあったか疑義が生じているとしている。顧客との取引額は16年度で60億円。

  先月14日には東芝が原子力発電事業をめぐる内部統制の不備があったとして、独立監査人による調査のため、決算を急きょ延期。株価や社債価格の急落をもたらしており、SMBC日興証券の阿竹敬之クレジットリサーチ課長は、昭和電工債の利回り上昇について「東芝のイメージをほうふつとさせたのでは」と指摘。現在の社債市場は、「企業が多少の損失を出しても反応しない」ものの、東芝問題の影響で「不正に絡んでいきそうということには敏感になっている」との見方を示した。

  一方、昭和電工債に投資しているフコクしんらい生命の林宏明取締役は、「状況が不透明なので現時点での投資判断においては、経営トップのガバナンスに対する信頼性を重視する」と指摘。不正会計問題で大きな損失を出した東芝やLIXIL(リクシル)グループと比較して、昭和電工のマネジメントの信頼性は高いと見ているため、社債の売却は現時点では考えていないと語った。

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