ドル・円下落、米3月利上げをほぼ織り込む-北朝鮮リスクで円買いも

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  • 円は主要16通貨全てに対して上昇
  • 北朝鮮ミサイル発射が調整地合いに寄与-ANZ

6日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=113円台後半へ下落。3月の米利上げがほぼ織り込み済みとなる中で、北朝鮮によるミサイル発射を受けたリスク回避の円買いが優勢となった。

  午後3時25分現在のドル・円相場は前週末比0.2%安の113円82銭。朝方はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が先週末の講演で3月利上げに前向きな姿勢を示したことを受け、114円14銭までドル買いが先行。その後円買いが強まり、113円72銭と2営業日ぶりの水準まで値を下げた。先週末は米早期利上げ観測の高まりを背景に、一時114円75銭と2月15日以来の水準までドル高・円安が進んでいた。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部外国為替・コモディティー営業部長の吉利重毅氏は、3月利上げが織り込まれたところで、北朝鮮のミサイル発射もドル・円の調整地合いに寄与したと説明。「ドル高が続くとしたら、相場が3月FOMC(米連邦公開市場委員会)を受けて、年内3回ないしは4回の利上げを織り込みに行くかどうかだろう。ただ、トランプ政権の幹部がそろわない中で、そこまでは織り込みづらそう」と話した。

  日本政府によると、北朝鮮は午前7時34分ごろに日本海へ向け4発の弾道ミサイルを発射し、うち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。安倍晋三首相は「北朝鮮が新たな脅威になったことを明確に示すものだ」との認識を記者団に表明。韓国合同参謀本部スポークスマンは記者会見で、追加的な分析が必要だが、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した可能性は低いと述べた。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、米国の3月利上げ見通しやトランプ米大統領の予算教書を控えて「一時的な動きになるとは思うが、リスク回避の円買いになっている可能性はある」と説明。「ドル・円の115円やユーロ・ドルの1.05ドルなどの節目を米利上げの織り込みでは抜けられず、トランプの政策などを含めてもう一つ材料が欲しいところで止められただけに、反応しやすい状況だったのかもしれない」と話した。

  ブルームバーグのデータによると、円は主要16通貨全てに対し前週末比で上昇。6日の東京株式相場は続落し、日経平均株価は100円以上下げる場面があった。 

3月米利上げ

  FRBのイエレン議長は3日、景気の進展が続けば、今月の利上げを支持する考えを示唆した。フィッシャー副議長も同日、金利に関する期待を引き上げようとする「意識的な取り組み」が行われているとするならば、「私もそれに参加するところだ」とし、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの多くが示した見解を「強く」支持すると言明した。

  FOMCは14、15両日の会合後に決定内容を声明で発表する。米金利先物動向に基づくブルームバーグの算出によると、同会合での利上げの予想確率は3日時点で94%。10日発表の2月の雇用統計では、19万人の雇用増が予想されている。

  バンク・オブ・アメリカ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、イエレン議長発言について「3月利上げにサポ-ティブだったものの、市場は3月後の年内にいつ、何回利上げを行うかに関心が移っており、そうした発言は出なかった」とし、「ドルが売られる材料ではないものの、ドルを押し上げる材料にはならなかった」と説明した。

  ユーロ・ドルは先週末に3営業日ぶりとなる1ユーロ=1.06ドル台前半まで反発。週明けはもみ合いの中、1.0600ドルまで弱含みとなった。

  岩崎氏は、仏大統領選の世論調査でルペン候補が劣勢になっており、リスクリバーサルも「仏大統領選でのユーロ安観測の陰りを見せている」と説明。ユーロの「下割れは難しい」と話した。

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