米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長による3日の講演は、今月の利上げがほぼ確実という、トレーダーたちが先週急いで織り込んでいた内容をほぼ確認するものだった。

  3月利上げの可能性が高まったことは、ドル強気派にとってこの先、厄介なことになるかもしれない。主要10カ国の通貨で構成される指数に対し、ドルは先週約6週間ぶりの高値を付けており、現時点でさらにドルを買い進める新たな材料はほとんどなくなった。連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは14、15両日開催の次回会合に向けて発言を自粛するブラックアウト期間に入っており、主要な経済指標では、10日発表予定の2月の雇用統計を待たねばならない。

  イエレン議長は3日、雇用とインフレが期待通り進展すれば、3月に「フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる」とシカゴでの講演で述べた。米金融当局はこれまで2年続けて12月の会合で0.25ポイントずつFF金利を引き上げてきたが、議長は緩和策解除は過去数年のようなゆっくりしたものではないだろうとも指摘した。

  ただ市場参加者は、それすら強気と受け止めていないのかもしれない。イエレン議長の発言後、先物市場では、当局が描く今年3回の利上げペースを達成できる見込みは低いと織り込まれている。ブルームバーグ・ドル・スポット指数はこの日の最安値圏に下落した。前日比0.7%安となり、1月23日以来の下落率となった。

  ドルが勢いを取り戻すことを期待する投資家にとっては不吉となり得る別のテクニカル指標もある。

一目均衡表
一目均衡表
Bloomberg

  ドル・円相場の一目均衡表では、青の部分で示した雲が狭いポイントに向かっている。雲が狭くなっていることは弱いトレンドと転換の可能性があることを意味しており、ドル高相場への危険因子となる可能性がある。

  一目均衡表はまた、今月のFOMC後に雲のパターンが広がることを示している。これは狭いポイントの転換点を過ぎた後、次のトレンドがより持続的なものになるということで、上値は115円10銭、下値113円22銭で推移する可能性がある。

原題:Dollar Bulls Despair as March Fed Hike Looks Like It’s Baked In(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE