6日の東京株式相場は続落。為替のドル安・円高推移が嫌気され、北朝鮮が日本海に向けミサイルを発射し、地政学リスクも懸念された。保険など金融株、電機など輸出株の一角が下げ、陸運やガスなど公益、不動産株も軟調。陸運では、未払い残業代問題が浮上したヤマトホールディングスが安い。

  TOPIXの終値は前週末比3.15ポイント(0.2%)安の1554.90、日経平均株価は90円3銭(0.5%)安の1万9379円14銭。

  T&Dアセットマネジメントの神谷尚志チーフ・エコノミストは、米連邦準備制度理事会(FRB)が「年2ー3回のペースでFF金利を3%まで上げるというイメージを市場は既に持ち、さらに3%以上ということにならないと米10年債利回りは上昇しにくく、為替も大きく円安に進むことはなさそう」と指摘。需給面では、日本銀行の上場投資信託(ETF)の今年度内の購入は「オーバーペースで、今月はあと3回しか買えないということになり、サポート要因にも欠ける」との見方も示した。

東証内
東証内
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=113円70-90銭台で推移。早朝の114円10銭台、前週末の日本株終値時点114円24銭からドル安・円高水準で取引された。朝方に北朝鮮のミサイル発射が市場に伝わると、円は強含んだ。

  FRBのイエレン議長は3日の講演で、雇用とインフレが米金融当局の期待に引き続き見合うなら、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが「適切となる可能性が高い」と発言。今月の利上げ方針をほぼ明確にしたものの、ことしの利上げペースが速くなる可能性を示唆するには至らなかった。

  SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストはリポートで、FRBは向こう3年間で9回の利上げを行い、フェデラルファンド(FF)金利を225ベーシスポイント(bp)引き上げる見込みだが、市場では既に152bpを織り込み、今後織り込むべき金利は73bpに過ぎないと分析。イールドカーブのフラットニングからも長期金利の上限は3%で、ドルも7%程度しか上昇しないとも予測した。

  また、北朝鮮は6日朝、4発の弾道ミサイルを発射した。為替動向や地政学リスクが嫌気され、週明けの日本株は売り先行で開始。日経平均は一時128円安まで売られた。日本政府によると、3発が日本の排他的経済水域に落下。韓国合同参謀本部はテキストメッセージで、これらのミサイルの飛行距離が約1000キロメートルだったことを明らかにした。これは、北朝鮮が先月発射したミサイルの2倍の飛行距離。安倍晋三首相は記者団に、今回のミサイル発射は「北朝鮮が新たな脅威になったことを明確に示すものだ」と述べた。

  丸三証券の服部誠執行役員は、「北朝鮮をめぐる反応は短期で収まるだろうが、いったんリスク回避の動きになった」と言う。

小型株に資金流れる、マザーズは11連騰

  ただ、朝方の売り一巡後は下げ渋り。TOPIXは午後に0.04%安まで下げ幅を縮めた。大和証券投資戦略部の三宅一弘チーフストラテジストは、「世界の景況感は上向き。日本株は相対的に割安感があり、企業の収益力も着実に良くなっている。下値では買いも入る」と指摘していた。TOPIXのコア30、ラージ70など時価総額や流動性の上位銘柄が下げた半面、スモール指数は小幅に上昇。マザーズ指数は11連騰、2014年5ー6月の連続上昇記録に並ぶなど小型株には資金が入った。

  東証1部33業種は保険、電気・ガス、陸運、不動産、精密機器、小売、電機など23業種が下落。石油・石炭製品や鉄鋼、その他製品、鉱業、食料品など10業種は上昇。大和証の三宅氏は石油や鉄鋼株の堅調について、中国が石炭と鉄鋼の生産能力の削減目標を掲げており、「過剰な供給を引き続き削減する方針で安心感はある」と話した。東証1部売買高は14億897万株。売買代金は1兆7210億円と2月21日以来、およそ2週間ぶりの低水準。上昇銘柄数は916、下落は930。

  売買代金上位では、傘下銀行の保有株売り出しが嫌気された三井住友フィナンシャルグループ、未払い残業代の社内調査を行っていることを明らかにしたヤマトHDが安い。みずほ証券が投資判断を下げたSUMCO、社長交代観測の三越伊勢丹ホールディングスも売られた。半面、任天堂やりそなホールディングス、JXホールディングス、コロプラ、森永乳業は高い。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE