中国の李克強首相は5日の政府活動報告で、経済目標や政府方針の表明だけではなく、明白な政治的メッセージも発した。ボスは習近平国家主席(共産党総書記)ただ1人ということだ。

  李首相は3000人の代表が集まった全人代での活動報告で、7回にわたって習氏が共産党の「核心」であることに言及した。習氏のかつてのライバルで、党ナンバー2である李首相からのこのような表明は、秋の党大会前に習氏への権力集中を印象付けた。

全人代に臨む習近平国家主席(中央)と李克強首相(右)=5日
全人代に臨む習近平国家主席(中央)と李克強首相(右)=5日
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  米中央情報局(CIA)の中国軍事アナリストやブッシュ(子)政権下の国家安全保障会議のアジア担当シニアディレクターを務めたデニス・ワイルダー氏は、「李克強首相がこのように非常に公な形で、習氏は指導部の『核心』だと発言せざるを得なかったことはシグナルを送っている」と分析。「習氏が権力を掌握しているとの見方を裏付けるものだ」と述べた。

  秋に開催される共産党大会は、習氏が自身の功績を残す最大の機会となり、同氏は軍や企業、報道機関など幅広い分野の影響力のある人物に個人的な忠誠を一層求めるようになっている。今年の党大会での人事は、習氏(63)が後継者候補を挙げ、自身の影響力を総書記の2期目の任期が終わる2022年以降も維持させようとするのかどうかを示唆する可能性がある。

  ブルームバーグ・ニュースは16年2月、各省の党指導者が公に習氏を「核心」と呼ぶようになったと報道。同年10月の中央委員会第6回総会(6中総会)で、習氏は共産党の「核心」と位置付けられた。これにより、自身の掲げるアジェンダを押し進め、自分の望む人物の登用に向けて権限を一層強化した。

  歴代の共産党指導者では江沢民氏も「核心」と位置付けられたが、同氏の下での全人代の演説ではこの表現が3回より多く使われたことはなかった。

原題:Chinese Premier’s Lavish Praise Shows Xi Power Before Reshuffle(抜粋)

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