安倍首相:歴代最長も視野に政権運営へ-自民党則改正で

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  • 自民総裁任期、連続「2期6年」から「3期9年」に延長-党大会
  • 森友学園問題を野党追及も「つまずく可能性は20%程度」と森田実氏

自民党は5日、都内のホテルで開いた党大会で、党則で連続2期6年までとしてきた総裁任期を、3期9年に延長することを決めた。安倍晋三首相は2018年9月の任期満了に伴う次期総裁選への3選出馬が可能となり、明治憲法下の桂太郎氏を抜く歴代最長政権も視野に入れて政権運営にあたることになる。  

  安倍首相は党大会での総裁あいさつで、「自公連立政権の上にこれからもしっかりと実績を残す」と語り、働き方改革や国内総生産(GDP)600兆円の実現などに取り組む考えを示した。また、現行憲法施行から今年で70年を迎えることにも触れ、「次の70年を見据えて新たな国づくりにとりかからなければならない」と指摘。自民党が「憲法改正の発議に受けて具体的な議論をリード」していくとし、「それこそが戦後一貫して日本の背骨を担ってきたわが自由民主党の歴史的使命ではないか」と党員に呼び掛けた。

  安倍首相は15年の自民党総裁選では無投票で当選するなど、高支持率を背景に党運営でも主導権を握る状況が続いている。二階俊博幹事長は2月20日の記者会見で、3選出馬すれば支持する考えを表明している。

  党大会に来賓としてあいさつした経団連の榊原定征会長は、20年東京五輪に向けて「政治と経済とが同じ方向を向いて、これまで以上に車の両輪のように連携を深めながら、それぞれの役割をしっかりと果たしていく」ことが重要と指摘。経済界として安倍政権の政策遂行に「引き続き全面的に協力」する考えを示した。

ポスト安倍

  「ポスト安倍」候補の1人とされる岸田文雄外相は5日の党大会後、記者団に対し、総裁任期延長について「みんなで決めたこと。党員の1人として党則の下、これからも頑張っていきたい」と語った。18年の総裁選に自らが出馬する可能性の問いかけには、閣僚の仕事に「専念する」とした一方で、「来年、再来年、何が起こるか分からない。心して政治家として努力をしていきたい」と語った。

  昨年の内閣改造で閣外に出て安倍政権と距離を置いている石破茂元幹事長は2月20日、党のインターネット番組で、現在の党内情勢について「物言うと嫌なやつとか、変なやつとか、裏切り者とか逆らうのかという雰囲気」と指摘。「本年言わないで組織って持つのか」と疑問を呈している。

  首相官邸のウェブサイトによると、戦後最長は1964年11月から72年7月まで2798日にわたって政権を担った佐藤栄作氏、明治憲法下も含めると最長は桂太郎氏の2886日。安倍首相は2006年から07年の第1次政権と12年以降の第2、3次政権と合わせると既に1800日を超えている。

  安倍内閣の支持率は、共同通信が最近行った調査で61.7%、読売新聞の調査では66%と高い水準を維持している。民進、共産両党などは国会で大阪市の学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題で政権を追及しているが、2017年度予算案は2月27日、既に衆院を通過しており、憲法の規定により年度内成立は確実になっている。

  政治評論家の森田氏は国会運営で主導権を握る与党側が首相を「守り切るだろう」と分析し、「政権がつまずく可能性は20%程度だが、内閣支持率には影響する」とみている。来年の総裁選には石破元幹事長らが出馬する可能性があるものの、現在の政治状況が続けば「安倍首相が3選する可能性が高い」と指摘する。  

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