3月3日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル反落、イエレン議長は利上げ加速示唆せず

  3日のニューヨーク外国為替市場ではドルが反落した。週間ではプラス圏にとどまり、過去4週間で3週目の上昇相場となった。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演で、3月利上げはほぼ確実と市場で織り込まれた。

  朝方に下げていたドルは、イエレン議長の発言直後に下げ渋った後、結局は一段安となった。イエレン議長は雇用とインフレが米金融当局の期待に引き続き見合うなら、次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが「適切となる可能性が高い」と述べた。ただ、今年の利上げペースが速くなる可能性を示唆するには至らなかった。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は週間ベースで約0.5%上昇。今週は一時、約1.3%高まで上昇していたが、この日のメキシコ・ペソの急伸に押され、上げ幅を縮小した。北米自由貿易協定(NAFTA)で米国とメキシコが賢明な合意を結ぶことができれば、メキシコ・ペソは「大きく」戻すだろうとのロス米商務長官の発言が影響した。

  ニューヨーク時間午後5時15分頃、ドルは対円で114円04銭。イエレン議長の講演直後には114円75銭まで上昇したが、米国債利回りとともに伸び悩む展開となった。ユーロは対ドルで1ユーロ=1.0622ドル。午後に入って一段高となり、1.0600ドルを上回った。

  今週は米金融当局から近く利上げが適切になるとの発言が相次いだ。イエレン議長の講演に先立ち、フィッシャーFRB副議長はイエレン議長について「他のメンバーの見解を無視するような決定は下さない人だ」と述べた。イエレン議長の講演をもって、FOMCメンバーは14-15日開催の次回会合に向けて発言を自粛するブラックアウト期間に入った。

  UBSウェルス・マネジメントで戦術的資産配分の責任者を務めるジェイソン・ドゥレイホ氏は、イエレン議長の講演について、「金利水準のシフトというよりは、タイミングのシフトが示唆された。インフレ加速の兆候がより鮮明になるまでは、市場が利上げをもっと織り込むとは考えにくい」と述べた。同氏によると、イエレン議長発言に対する通貨市場の反応は「控えめ」で、UBSとしてはドルは対ユーロ、対円で上昇すると予想している。
原題:Dollar Trims Weekly Rally as Yellen Tips March, Tempers Outlook(抜粋)
USD, Treasury Traders Await Fed Clarity on Pace: UBS Wealth Mgmt

◎米国株:ほぼ変わらず、FRB議長は3月の利上げ示唆

  3日の米株式相場はほぼ変わらず。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長がここ1週間で強まった3月利上げ観測に同調する姿勢を示した。

  議長は「連邦公開市場委員会(FOMC)が後手に回っているとの兆候は現在全く見当たらない」とも話した。

  S&P500種株価指数は前日比0.1%未満上昇して2383.12で終了。ダウ工業株30種平均は2.74ドル高の21005.71ドルで終えた。

  S&P500種の全11セクターのうち5セクターが上昇。特に金融とヘルスケアが上げた。

  一方、不動産や公益事業、生活必需品は安い。10年債利回りは5日連続で上昇した。

  フェデラルファンド(FF)金利先物市場が示す今月の利上げ確率は94%。前週末時点では40%だった。

  ブルームバーグのまとめによれば、決算発表シーズンが終わりに近づく中、決算を既に発表したS&P500種採用銘柄の約73%で利益が予想を上回り、半分余りで売上高が予想を上回っている。
原題:U.S. Equities End Little Changed After Yellen Signals March Hike(抜粋)
Dollar, Bonds Remain Lower, Stocks Mixed on Yellen: Markets Wrap(抜粋)

◎米国債:ほぼ変わらず、FRB議長が3月利上げを示唆

  3日の米国債はほぼ変わらず。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は次回3月14ー15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが「適切となる可能性が高い」と述べた。

  複数の連銀総裁や理事からタカ派的な発言が相次ぎ、市場では3月利上げがほぼ確実視されている。市場参加者はイエレン議長が3月利上げを裏付けると予測していた。2年債利回りは2009年以来の高水準付近。議長は「FOMCは今月の会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」と話した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、2年債利回りはほぼ変わらずの1.31%。10年債利回りは2.48%となっている。

  BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「ほぼ織り込み済みの3月利上げを裏付けたことを除けば、イエレン議長は今後の利上げについて特にタカ派的なことはなかった」と述べ、「すでに織り込まれている見通しについて言えば、イエレン議長の発言が米国債にとってやや支援材料となった」と続けた。

  5年債と30年債の利回り差はイエレン議長の講演前に約2年ぶりの最小となっていたが、その後はスティープ化した。

  CIBCのストラテジスト、リチャード・ギルフーリー氏はイエレン議長が労働市場にとって移民が鍵を握るとの発言もイールドカーブのスティープ化につながったと指摘した。同氏によると、2月の雇用統計で賃金の伸び悩みが示されると、その対応策として保護主義的な措置が注目されることになり、インフレが押し上げられ、成長が阻害されるという懸念が強まるという。
原題:Treasuries Erase Losses After Yellen Suggests March Hike Likely(抜粋)

◎NY金:続落、米利上げ期待上昇が貴金属相場を直撃

  3日のニューヨーク金先物相場は続落。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が利上げが「適切となる可能性が高い」と講演で述べたことが米利上げ期待に拍車を掛け、貴金属相場への大きな重しとなった。

  MKS(スイス)の貴金属トレーダー、ティム・ブラウン氏は電子メールで「3月利上げ期待の高まりでドルが急騰し、貴金属相場がおぞましい下げとなっている」と指摘。テクニカル分析の節目である1238ドルを割り込んだと話した。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比0.5%安の1オンス=1226.50ドルで終了。金スポットは今週2.5%下げ、1カ月ぶりの大幅安となった。
原題:Gold Drops Again as Rate Odds Wreak ‘Carnage’ on Precious Metals(抜粋)

◎NY原油:反発、リビア最大の積み出し港を武装組織が制圧

  3日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反発。リビア最大の原油積み出し港を武装グループが制圧したとの報道が響いた。サウジアラビアの2月の産油量は、前月比で日量9万バレル減少した。

  コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイス)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は電話取材に対し、リビア情勢を受けて「供給に障害が生じる可能性が高まる」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比72セント(1.37%)高い1バレル=53.33ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は82セント(1.5%)上昇の55.90ドル。
原題:Crude Rises as Libya’s Biggest Oil Port Seizure Threatens Output(抜粋)

◎欧州株:下げ縮小、ルペン氏の支持低下で-週間では年初来最大の上昇

  3日の欧州株式相場はほぼ変わらず。フランス大統領選挙の第1回投票についての世論調査で無所属のマクロン前経済相の支持率が初めてルペン国民戦線(FN)党首を上回り、同国株と銀行株が上昇。指標のストックス欧州600指数は下げ幅を縮小して引けた。

  ストックス欧州600指数は前日比0.1%安の375.23で終了。一時は0.5%下げていた。フランスのCAC40指数は0.6%上げ、2015年8月以来の高値に達した。

  欧州市場の取引終了後に行われるイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演も注目されている。米当局者からは最近タカ派的な発言が相次ぎ、3月の利上げ観測が高まっている。こうした観測の恩恵を最も受けているのは銀行株で、今週のパフォーマンスは業種別指数の中で首位。ストックス600指数も週間ベースで年初来最大の上げを記録した。

  CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏はリポートで、「米国が引き続き現在の相場を動かす主な原動力だ。期待の変化があり、利上げは多かれ少なかれ決まったようなものだ」と指摘した。

  金利先物動向によれば、米金融当局が3月15日に利上げを決定する確率は92%と、わずか1週間前の40%から上昇した。
原題:Europe Stocks Hold Steady to Cap Best Weekly Gain Since December(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が下落、ルペン氏当選見通し後退でリスク志向優勢

  3日の欧州債市場ではドイツ国債が下落。フランス大統領選挙の世論調査でルペン国民戦線(FN)党首の支持率が低下したことを受け、市場にリスク志向が広がった。

  周辺国債のスプレッド(利回り格差)は急激に縮まり、スペイン、イタリアの10年債のドイツ国債に対するスプレッドはそれぞれ5-6bp縮小。

  オドクサの第1回投票についての調査によると、マクロン前経済相の支持がルペン氏を上回った。フィヨン氏が撤退しジュペ元首相が出馬する場合、決選投票は同氏とマクロン氏の一騎打ちとなる見通し。
原題:Risk Appetite Lifts After French Poll; End-of-Day Curves, Spread(抜粋)

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