【日本株週間展望】小幅高、円安と業績改善期待-米雇用統計を注視

  • 3月の米利上げ観測が強まり、過度な円高リスクが後退
  • 第3週に重要なイベントを控え、積極的な買いも限定的に

3月第2週(6-10日)の日本株は小幅に3週続伸しそうだ。米国経済の足取りの強さから3月の米利上げ観測が強まり、為替市場での過度な円高リスクが後退、国内の企業業績に楽観的な見方が強まる。ただ、週末には米利上げの見極め材料となる雇用統計の発表を控え、様子見ムードが広がりそうだ。

  3月の米利上げ観測が高まっており、米金利は上昇。為替市場では2日に1ドル=114円59銭と2月15日以来のドル高・円安水準を付け、TOPIXは昨年来高値を更新した。2日時点で市場が織り込む3月の米利上げ確率は90%前後で推移している。大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは1ドル=115円を突破すれば再度118円台が視野に入るとみる。ドル・円相場の安定と、トランプ米大統領の日本時間1日の議会演説で大きな波乱がなかったことから株式市場には買い安心感も強い。SMBC日興証券では2日付リポートで、2016年度の経常利益予想を従来の2%減から1.5%減に、17年度を11%増から14%増に上方修正した。足元の為替水準を加味すれば日本の株価収益率(PER)は割高でないとし、日本株には上昇余地が残されているとみる。

  米国では6日に1月の製造業受注、8日にADP雇用統計、10日に雇用統計が発表される。雇用統計の非農業部門雇用者数の市場予想は18万5000人増と前回の22万7000人から伸びが鈍化するとみられてはいるものの、平均時給は前年同月比2.8%増と、前回の2.5%増から上昇と予想されている。野村証券は2日付リポートで、従来6月と12月の2度としていた米利上げ回数予想を見直し、3月、9月、12月の3度の利上げを行う可能性が最も高いとした。昨年は6月初めに発表された雇用統計の内容が悪く6月利上げが見送られた経緯からも、今回2月分は重要だと指摘している。また第3週に米連邦公開市場委員会(FOMC)、米予算教書など重要イベントを控えて積極的な買いが手控えられそうだ。

  その他、7日に経済協力開発機構(OECD)の経済見通しが公表される。また欧州では9日には欧州中央銀行(ECB)が金融政策を発表する。また、国内では8日に16年10-12月期の国内総生産(GDP)改定値が発表される。市場予想の中央値は前期比年率1.6%増と速報値1.0%増から上方修正される見通し。10日には株価指数オプション3月限の特別清算値(SQ)が算出される。3月第1週(2月27-3月3日)の日経平均株価は1%高の1万9469円と続伸した。

≪市場関係者の見方≫
レオス・キャピタルワークスの渡邉庄太ファンドマネジャー
  「緩やかな利上げなら、米国の景気拡大が続くとの明るいシナリオに基づき株高を維持できる。1-2月はトランプ米大統領の発言を為替が懸念し動きにくかったが、足元では影に隠れている。トランプ大統領が示す財政政策をすれば金利高になり、ドル高・円安方向という安心感が出ている。主要企業の業績ガイダンスをみても、17年度に自信を持ち始めており、日本株を買いやすくなっている。半年から1年のスパンでリスクを取れる投資家にとってはおおむね今は底値圏。ただ、米当局は昨年も利上げのタイミングをかなり慎重に見送ってきた。10日の米雇用統計が芳しくないと見送ることになりかねず、1、2カ月で利益を上げたい投資家は見極めという状況になる」

アセットマネジメントOne・調査グループの清水毅ストラテジスト
  「基本的に堅調に推移するとみるが、FOMC、オランダ総選挙、日銀政策会合など第3週に大きなイベントが集中し、材料待ちで上にも下にもいきにくい。米利上げを織り込む過程で米国株は高値を取ってきており、利上げできるほど経済は良いとの見方が膨らんでいる。株式市場のセンチメントは強く、日本株も当面強いだろう。10日の米雇用統計が無難な数字なら、利上げにゴーサイン。まだ海外投資家は日本株をアンダーウエートにしているはずで、為替が1ドル=115-120円で安定していけば、政治的に安定している日本に戻ってくる。ただ、為替は1ドル=110円を継続的に割れるリスクは後退したもののさらに120円というのもトランプ米政権の保護主義への警戒感から難しい」

アイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャー
  「日本を含めた先進国のファンダメンタルズは良好で、海外勢のリスク許容度の拡大が見込める。7日のOECD経済予測は先進国中心に上方修正される見込みで、海外勢が重視する指標だけに世界の景気敏感株の位置付けである日本株がクローズアップされる。電子部品や液晶関連装置分野を中心に設備投資は強く、機械株、素材を含む景気敏感株の上昇は続こう。こうした業種は来期にかけての業績変化率も高く、安心して買える。日経平均の想定レンジは1万9300-1万9800円」 
  

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