任天堂:新型ゲーム機「スイッチ」が発売-店頭に列、売り切れも

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  • ビックカメラ渋谷東口店、30分で初日分完売、開店前から90人の列
  • 発売後の株価一時4.1%高に、業績への寄与見極めたいとの声も

任天堂は3日、新型家庭用ゲーム機「スイッチ」の販売を開始した。2012年末のWii(ウィー)U以来の新型ゲーム機。携帯型ゲーム機「3DS」が最盛期を過ぎた同社にとって業績巻き返しの期待がかかる。都内の家電量販店などには、詰め掛けたファンが朝から列を作った。

  JR渋谷駅近くのビックカメラでは、当日販売分を目当てに約90人が並んで開店を待った。大阪から駆けつけた安達優輝さん(26)は「外に持ち運べることに一番期待している。スマホと違いボタンががっちりしているので、アクションゲームを遊ぶのが楽しみだ」という。「大阪と東京を行き来することが多いので、新幹線の中で遊びたい」と話す。

ビックカメラ・池袋本店でスイッチを購入する男性

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ビックカメラでは、通常より営業開始を1時間早めて午前9時からスイッチを発売。渋谷東口店では発売後約30分で、新宿東口駅前店や有楽町店でも1時間以内で売り切れたという。

  スイッチは米国や欧州主要国などでも同日発売される。左右に分割されたコントローラーが特徴で、本体は持ち運べるほかテレビにも接続でき、携帯・据え置き機の両方で遊べる。価格は2万9980円(税別)。今期(17年3月期)中に200万台の出荷を見込んでいる。

 3日の任天堂株は5日ぶりに反発し、一時前日比4.1%まで上昇した。ジェフリーズのアツール・ゴーヤルアナリストは「今のところ滑り出しが順調なことで市場に安堵(あんど)感が広がっている」と指摘。「発売前から大失敗が予測できたWii Uに比べ、デザインや価格、発売されるソフトなどの面ではるかに期待が持てる」としている。

  特にソフトについてゴーヤル氏は、今後のラインナップは「Wii以来で最も充実しており、質の高い自社製作ソフトが1年を通して続々と発売される」と評価。販売に関しては、来年度に最大1000万台売れてもおかしくはないが、過去にあったような需要に供給が追い付かないような事態になれば、500万台程度にとどまるとみている。

現場、若者に一定の権限

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「過去の大ヒット機は発売1カ月で250万台ほど売れていた計算。200万台はスイッチの必達目標になる」と指摘。ヒットを占うのは「価格や仕様以上に初動の売れ行きで、売れれば人気ソフトがついてくる」という。当初2週間で国内販売50万台に届くかに注目している。 

  業績回復への期待を背負うスイッチの開発では、新たな試みもあった。今回、任天堂は思い切って若いデザイナーたちにゲーム機本体の製作を任せ、これまで開発の中心を担ってきた宮本茂代表取締役クリエイティブフェローや竹田玄洋代表取締役技術フェローは直接的に指揮を執らなかったという。

  宮本氏に代わってソフト開発部門トップに就いた高橋伸也常務はブルームバーグの取材に、これまでハード部門内で完結することが多かった本体開発について、「今回は社内で開発の割と広い範囲にオープンにした」と説明。それにより「現場に近い若い人がいろいろな意見を言える場や、ある程度の決定権を持てた」と振り返った。

業績への寄与見極めへ

  スイッチと同時発売されたゲームは、ダウンロード専用ソフト(12)を含め20タイトル。うち2タイトルが「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」など任天堂製だ。また「スプラトゥーン2」は今夏、マリオの最新作「スーパーマリオ オデッセイ」は冬に発売予定。任天堂以外でも70社以上、100タイトル以上を開発中だ。

  ソニーの「プレイステーション(PS)4」(据え置き型、価格は同水準)がライバルとなるが、PS4は13年11月の発売開始から1月までの累計で5340万台を販売している。任天堂は収益の多角化を急いでおり、12月には人気ゲーム「スーパーマリオラン」を米アップルの「iPhone(アイフォーン)」向けに配信した。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は株価について、中長期的に上昇基調が続くかどうかは、スイッチの業績寄与を含め「四半期ごとの決算での成長への方向性が見えるかどうかで決まってくる」との見方を示した。

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