行き場失う保守派の仏有権者-「右派から極右」の流れに至る恐れも

フランス大統領選挙の中道・右派陣営候補、フィヨン元首相の苦境が深まる中で、保守の有権者は行き場をなくしつつある。サッチャー英元首相の改革手法をフランスに持ち込もうとしていたフィヨン氏の支持低下で、中道のマクロン前経済相と極右のルペン国民戦線(FN)党首のいずれにも票が流れ込みそうだ。

  フィヨン氏は公金流用の疑いをめぐる捜査が本格化するに伴い撤退の観測が高まる中、1日の記者会見でこれを否定。選挙戦を継続すると重ねて表明した。撤退否定はこの1カ月で2回目となる。

  だが、訴追されれば選挙から撤退するという公約を破ったなどとして主要アドバイザーを務めていたルメール元農業・食料相が陣営を去ったほか、共和党議員3人が離反。議員27人を抱え、同党と行動を共にすることが多い民主独立連合(UDI)も支持を停止するなど、フィヨン氏は共和党の支持維持すらおぼつかない情勢になりつつある。

Fillon at press conference, March 1.

Photographer: Nicolas Kovarik/IP3/Getty Images

  1日のドタバタ劇に対し、市場はこれまでのところ落ち着いた反応を示している。フィヨン氏の問題はマクロン氏の追い風になると捉えている様子だ。

  ただ、フィヨン氏が捜査は政治的な動機に基づいた攻撃だと主張するように、これが右派に対する迫害だとの見方が有権者の間に広がれば、現状打破に向けより急進的な政策を掲げるルペン氏に支持が集まる可能性もある。

  世論調査会社オピニオンウェイのブルーノ・ジャンバール副最高経営責任者(CEO)は1日のインタビューで、「右派から極右に票が流れる新潮流につながる可能性もある」として、来週明けまでの動きが注目されると述べた。

  ハリス・インタラクティブが1日夜実施し2日午前に公表した世論調査結果では、仏国民の75%がフィヨン氏の撤退を望むと回答。継続を望む回答は共和党支持者の中で53%、自身を中道・右派と位置付ける有権者の中では48%だった。

仏大統領候補フィヨン氏、訴追リスクに直面-撤退せずと表明

原題:French Right’s Voters In Play as Fillon Digs In Over Probe (2)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE