2日の東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=114円台前半に上昇。ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事の発言を受けて米利上げが3月にも実施されるとの見方が強まり、2週間ぶりのドル高・円安水準を付けた。

  午後4時7分現在のドル・円相場は前日比0.4%高の114円19銭。朝方にブレイナードFRB理事の発言を受けて、114円16銭と2月16日以来の水準までドル高・円安が進んだ。その後114円台を割り込む場面もあったが、欧州時間にかけて114円21銭まで水準を切り上げた。

  ブレイナードFRB理事はハーバード大学でのイベントで、「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」と指摘した。米国時間の3日(日本時間4日未明)には、イエレンFRB議長とフィッシャーFRB副議長がそれぞれ講演を予定している。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部外国為替・コモディティー営業部長の吉利重毅氏は、「米連邦公開市場委員会(FOMC)の中で最もハト派と目されているブレイナード理事が利上げに前向きな姿勢を示したことで、3月利上げも十分にあり得るという感じになってきた」と指摘。「イエレン議長、フィッシャー副議長が3月利上げに向けてどこまで踏み込んだ発言を行うかが焦点になってきた」と語った。ドル・円相場は「115円が視野に入っており、場合によってはイエレン、フィッシャー両氏の発言を待たずに115円を試す可能性もある」との見方を示した。

  前日にはサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁やニューヨーク連銀のダドリー総裁らの発言を受けて早期の米利上げ観測が高まり、ドル・円相場は一時114円05銭まで上昇。ブレイナード理事の発言はこの流れを後押しした。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部戦略トレーディング課の池島俊太郎課長は、短期的にはFRB正副議長の講演を前に利益確定のドル売りが出やすいと指摘。一方で、「金融政策で3月利上げが意識される中、トランプ米大統領の議会演説は懸念されたような立ち振る舞いもなく、政策への期待そのものは維持された。そういう中で米株市場も楽観的な動きになっており、米金利は上昇方向、ドル買われていく流れにある」とし、「ドル・円相場はこれまでの114円台よりも112円~115円レンジの上抜けに対する期待は高い」と述べた。

  しんきんアセットマネジメント運用部の加藤純主任ファンドマネージャーは3月FOMCについて「仮に利上げとなった場合、焦点はその後のペースになる」と指摘。3月に利上げが実施されても、年内の利上げ回数が3回のままであれば「材料出尽くしで、ドル・円は113円~114円まで調整して底固めになっていくかもしれない」とみる。一方、10日発表の2月の米雇用統計で賃金の堅調な伸びが示された場合、「市場で3月利上げを起点に毎四半期の利上げが意識され、FOMCのドットチャートなどでその見方が裏付けられれば、ドル・円は116円を意識した動きになる可能性もある」と言う。

  豪ドルは下落。1月の豪貿易収支の黒字額が1億3020万豪ドルと市場予想の3億8000万豪ドルを下回ったことを受けて、豪ドル・ドル相場は1豪ドル=0.7680ドル台から一時0.7644ドルまで売られる場面が見られた。

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