トランプ米大統領は2月28日の上下両院合同本会議での演説で、移民制限が米国経済に恩恵を与えるとの主張を繰り返した。ただ、この見解に対してエコノミストらは幅広く異議を唱えている。

  大統領は演説で、移民制限方針の下で不法滞在の労働者がすでに一斉検挙され、強制送還されていると発言。こうした取り締まりと合法的移民制度の見直しで、米国の雇用と賃金の見通しが改善するとの見解を示した。

トランプ大統領
トランプ大統領
Photographer: Jim Lo Scalzo/Pool via Bloomberg

  「最終的にわれわれの移民法を施行することで、賃金を引き上げ、失業者を支援し、何十億ドルも節約し、全ての人にとって社会を一段と安全なものにする」と表明。「われわれは全ての米国民に成功してもらいたいが、それを無法状態の混乱の中で実現することはできない」と述べた。

  エコノミストらは、移民が低迷する労働参加率を押し上げ、全体の生産性を向上させることによって、米国の成長を高めることができるとの見方を示しているが、トランプ氏の主張はこれと真っ向から対立する。9400万人の米国人が労働力から外れているというトランプ氏の発言は正しいが、その数字には退職者や学生も含まれる。

  移民が長期的に制限されれば、米経済はより深刻な労働人口の伸び鈍化や生産性低下に苦しむことにもなりかねないと、ゴールドマン・サックス・グループのエコノミスト、ダーン・ストゥリュイーベン氏が2月15日の調査リポートで指摘した。

原題:Trump Says Closed Borders Boost Jobs. Economists Say No (1)(抜粋)

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