英国の欧州連合(EU)離脱について懸念したり、フランス離脱の可能性にも気をもんだりしているかもしれないが、心配はいらない。

  運用資産9000億ドル(約101兆8000億円)で、世界の株式の1.3%を保有するノルウェーの政府系ファンド(SWF)は、世界の金融リスクとなるのは2カ国の政治だけだと指摘する。それは、中国と米国だ。

  同ファンドのイングベ・スリングスタッド最高経営責任者(CEO)はオスロでの年間業績発表後のインタビューで「昨年とさらにその前を振り返ると、世界経済にとって非常に大規模かつ重要で、政治情勢が世界の金融市場全体に実際に影響を及ぼしているのは米国と中国だ」と指摘。「その他の国の政治イベントと動きが世界市場にそれほどの影響を及ぼしているかは全く明確ではない」と述べた。

  昨年は英国のEU離脱選択や米国でのトランプ大統領選出といった選挙結果が市場関係者を驚かせ、地政学的リスクに投資家の注目が集まった。現在は、極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首が有力候補として浮上しているフランスを含む欧州で重要な選挙が相次ぎ、投資家はさらなる混乱に備えている。

  ノルウェー政府系ファンドの戦略は、数十年に及ぶ視点で投資し、こうした混乱を乗り切ろうとするものだ。

  英国のEU離脱選択後の同ファンドの行動はその一例を示している。昨年6月の国民投票の直後に、価格下落に乗じてロンドンで商業用不動産を1億2400万ポンド(現在の為替レートで約170億円)で取得した。

  スリングスタッドCEOは2月28日、いかなる政治的リスクが浮上しても欧州から離れるつもりはないとあらためて表明。「われわれは欧州への長期的な投資家だ。今後も欧州で長期的投資家であり続けるだろう。それがわれわれの投資の大部分を占める」と述べた。

原題:For Biggest Wealth Fund Only Two Countries Drive Global Risks(抜粋)

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