任天堂は3日、新型家庭用ゲーム機「スイッチ」を日本、米国、欧州主要国などで発売する。同社にとっては2012年末のWii(ウィー)U以来の新型ゲーム機。同社は携帯型ゲーム機「3DS」が最盛期を過ぎたことなどで8期連続の減収を見込んでおり、スイッチに業績巻き返しの期待がかかる。

  スイッチは左右に分割されたコントローラーが特徴で、持ち運べる本体やテレビに接続することで、据え置き機、携帯機の両方の遊び方ができる。価格は2万9980円(税別)。今期(17年3月期)中に200万台の出荷を見込んでいる。

据え置き・携帯機両方で遊べる「スイッチ」
据え置き・携帯機両方で遊べる「スイッチ」
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「過去の大ヒット機は発売1カ月で250万台ほど売れていた計算。200万台はスイッチの必達目標になる」と指摘。ヒットを占うのは「価格や仕様以上に初動の売れ行きで、売れれば人気ソフトがついてくる」という。当初2週間で国内販売50万台に届くかに注目している。

  業績回復への期待を背負うスイッチの開発では、新たな試みもあった。今回、任天堂は思い切って若いデザイナーたちにゲーム機本体の製作を任せ、これまで開発の中心を担ってきた宮本茂代表取締役クリエイティブフェローや竹田玄洋代表取締役技術フェローは直接的に指揮を執らなかったという。

現場、若者に一定の権限

  宮本氏に代わってソフト開発部門トップに就いた高橋伸也常務はブルームバーグの取材に、これまでハード部門内で完結することが多かった本体開発について、「今回は社内で開発の割と広い範囲にオープンにした」と説明。それにより「現場に近い若い人がいろいろな意見を言える場や、ある程度の決定権を持てた」と振り返った。

  スイッチと同時発売されるゲームは8タイトル。ダウンロード専用ソフトも12ある。うち2タイトルが「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」など任天堂製だ。また「スプラトゥーン2」は今夏、マリオの最新作「スーパーマリオ オデッセイ」は冬に発売予定。任天堂以外では当初、約50社が80タイトル以上を開発していたが、2月1日時点では70社以上、100タイトル以上に増加している。

  ソニーの「プレイステーション(PS)4」(据え置き型、価格は同水準)がライバルとなるが、PS4は13年11月の発売開始から1月までの累計で5340万台を販売している。任天堂は収益の多角化を急いでおり、12月には人気ゲーム「スーパーマリオラン」を米アップルの「iPhone(アイフォーン)」向けに配信した。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE