日本株続伸、米利上げ観測と円安-波乱なき米大統領演説で午後一段高

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  • 機械など輸出・インフラセクター、金融株中心に広く上げる
  • 米連銀総裁が相次ぎ利上げ検討示唆、トランプ氏演説は従来範囲

1日の東京株式相場は続伸。米国の早期利上げ確率が高まる中、トランプ米大統領の議会演説後に為替が一段と円安に振れ、企業業績への楽観から午後に上げ幅を広げた。米インフラ投資期待も後押しした機械株が業種別上昇率のトップ。金融セクターや情報・通信株など東証1部33業種中、32業種が高い。

  TOPIXの終値は前日比17.77ポイント(1.2%)高の1553.09、日経平均株価は274円55銭(1.4%)高の1万9393円54銭。両指数の上昇率は2月10日以来の大きさ。

  ミラボー・アジアの香港在勤トレーディング担当ディレクター、アンドルー・クラーク氏は米大統領の演説について「株式市場に強気な内容で、整理され良かった。保護主義的な内容が少しあり、詳細もなかったが、投資家が聞きたいことを言った」と評価。演説前の市場は、「草案に含まれていない内容を発言してしまうネガティブサプライズを懸念していた」と言う。

米大統領が演説

Photographer: Jim Lo Scalzo/Pool via Bloomberg

  サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は2月28日、次回3月14、15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げを真剣に協議すると見込まれる、と語った。ニューヨーク連銀のダドリー総裁もCNNインターナショナルとのインタビューで、金融引き締めの論拠は過去数カ月で一段と説得力のあるものになった、との認識を示した。

  両総裁の発言を受け、前日の米10年債利回りは2.39%と3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。市場が織り込む3月の米利上げ確率は27日の50%からさらに上昇した。日本時間1日の米10年債利回りは一段と上昇、きょうのドル・円相場はきょう午後の取引で一時1ドル=113円60銭台と、前日の日本株終値時点112円47銭からドル高・円安方向への動きが強まった。

  水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは、「労働市場ひっ迫や原油高などから米インフレ率は収まるより加速する可能性が高い。FOMCメンバーはインフレを警戒している」と指摘。3月の米利上げはコンセンサスではないが、「ことし何度も利上げをするなら一段の円高シナリオは描きにくい」と話す。

  また、トランプ米大統領は日本時間1日午前11時から議会で演説した。国の骨格再建で自分に力を貸してほしいと訴え、インフラ刷新や国防契約で数十億ドルを節約するなどと発言。新たな提案はほとんど行われず、計画の財源についても言及しなかった。

  財源や法人税減税の規模、インフラ投資をめぐり具体的進展はなかったが、市場はかえってこれまで示した内容から逸脱しないと安心感を持って受け止めた。規模が膨らみ過ぎると議会との交渉が難航したり、財政赤字に悪影響を及ぼすリスクが限定されるためだ。事前に警戒が高まっていた反動から、演説通過後の為替はドル高・円安で反応、米国株先物の堅調さを材料に日本株は先物主導で一段高となった。

  東証1部33業種は機械、保険、証券・商品先物取引、電機、化学、輸送用機器など32業種が上昇。パルプ・紙の1業種のみ小幅に下落。売買代金上位では、信越化学工業やコマツなどインフラ関連銘柄のほか、ソフトバンクグループ、マツダが高い。しわ改善の有効成分で厚生労働省の承認を受けた資生堂も上げた。半面、資生堂と競合するポーラ・オルビスホールディングスは急落。費用負担で第1四半期が営業減益のパーク24も安い。東証1部の売買高は19億9364万株、売買代金は2兆3891億円。値上がり銘柄数は1426、値下がりは456。

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