2月27日の市場では国内外の要因が相まって、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決まる確率が大幅に修正された。先週は40%足らずにすぎなかったが、今やより現実的な52%となった。この利上げ確率の評価が今後どちらに向かうのか、ある指標が鍵を握る。それは米金融当局の政策アプローチや市場との対話方法を、緩やかに方向転換させるきっかけになるかもしれない。

  3月の利上げ期待が高まったのは、ダラス連銀のカプラン総裁が言い回しの意味を明確にしたおかげだ。今年のFOMCで投票権を持つ同総裁は、複数の当局者がこれまで示唆してきた「早め」の利上げというのは「近い将来」を指していると述べた。

  それでも、利上げ確率が上昇したからと言って利上げが決まっているわけではない。イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長らの見識から判断すると、FOMCが過去10年間でわずか3回目となる利上げに違和感を抱かないようになるには、賃金の伸びが加速する必要がある。3月14-15日に開催されるFOMCにとって、同月10日に発表される2月の雇用統計は決定的ではないにしろ重要な影響を持つことになる。

  賃金のデータで青信号が出れば、3月の利上げ確率が大幅に上昇する以上の展開をもたらす。米金融当局は短期的な戦術から脱し、より戦略重視の姿勢へと徐々に転換できるようになる。

  2008年に金融危機が本格化して以来、米金融当局の政策決定は「データ次第」のアプローチを強めている。当局は高い頻度で発表される経済指標(と大幅に振れることもある改定値など、それに伴う不可避なノイズ)だけでなく、市場の人質になった。市場をリードするのではなく、短期的な志向を持つ市場に従う存在に成り下がった。

  次回の雇用統計は米金融当局にもっと先制的な戦略姿勢に戻る突破口を開くかもしれない。過剰な短期志向への抵抗に加え、この新たな姿勢は今後の政策判断において支柱となる可能性がある。議会の審議行き詰まりで何も進展しなかった状況から、トランプ大統領の議会演説で説明が期待されている著しい変革へと、時代が変わりつつある中でそれは特に重要となるだろう。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)

原題:What a Fed Rate Hike in March Would Imply: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

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