債券相場は下落。前日の米国債相場が3月利上げ観測の高まりで軟調に推移した流れを引き継ぎ、売りが先行した。日本銀行が中期ゾーンを対象とする国債買い入れオペを減額したことで、超長期ゾーンでは25年超が減額されるとの懸念が強まり、相場の重しとなった。

  1日の長期国債先物市場で中心限月3月物は続落。前日比9銭安の150円49銭で開始し、午後に入ると米金利上昇や円安を受けて一時150円41銭まで売られた。取引終了にかけてやや持ち直し、結局は11銭安の150円47銭で引けた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、中期ゾーンの国債買い入れの減額について「前日のオペの運営計画で中期ゾーンの減額はある程度想定されていた」と述べたものの、「1-3年でレンジ中間の3500億円よりも少ない3200億円となったことで債券先物は売りで反応した」と指摘。一方で、「すでに中期ゾーンについては買い入れを当面減らしていくことが報じられており、それに沿った形で想定の範囲内」との見方を示した。

  日銀がこの日実施した国債買い入れオペでは、1年超3年以下を3200億円と前回2月最終オペの4000億円から減額。前日発表した同セクターのオファー金額のレンジは3000億~4000億円だった。また、3年超5年以下も4000億円と前回4200億円から減額。3月のレンジ3500億~4500億円の中間値での提示となった。物価連動債は250億円と前回と変わらず。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)高い0.055%で寄り付き、その後は0.06%で推移した。

オペ運営方針

  日銀が前日に発表した3月の長期国債買い入れ運営方針によると、5年超10年以下の1回当たりのオファー金額は3500億~5500億円で、中間値は4500億円と前月最終オペと横ばい。10年超25年以下は1500億~2500億円で、中間値は2000億円と前月最終オペと横ばい。一方、25年超は500億~1500億円で、中間値は1000億円と前月最終オペの1200億円を下回る。

  三菱UFJ国際投信の加藤章夫トレーディング部長は、25年超の買い入れ額について「日銀が25年超の買い入れを減らしたいバイアスが見て取れる。ある程度のスティープニングは許容できるということなのだろう」と指摘。その上で「超長期ゾーンについては、中期ゾーンよりも100億円単位の買い入れの増減が効いてくるとみられ、来週7日の30年債入札や22日の40年債入札後の買い入れオペを確認する必要がある」と述べた。

オペ日程公表に関する記事はこちらをご覧下さい。

  財務省は2日、10年利付国債(3月債)入札を実施する。発行額は2兆4000億円程度。表面利率は0.1%に据え置かれる見込みだ。

  三菱UFJ国際投信の加藤氏は、10年債入札について「トランプ米大統領が誕生し、米利上げ期待が高まる中で、10年債利回りが0.05%を下抜けていく可能性が低下している」と指摘。イエレン米連邦制度理事会(FRB)議長とフィッシャー副議長の講演を3日に控える中で、「高値圏にある10年債には手が出しづらく、調整のきっかけになりやすい」との見方を示している。

米利上げ期待

サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁
サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁
Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

  米利上げについてはウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁が「3月FOMCでは利上げを真剣に協議する」と述べたほか、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁が時期を明言しないものの「利上げの主張は大幅により説得力あるものになっている」と指摘。これを受けて、時間外取引の米10年債利回りは一時3bp高い2.424%に上昇。金融政策に感応度の高い米2年債利回りは昨年12月以来の1.3%乗せに迫った。

  米利上げの可能性について、JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは3日のイエレン議長およびフィッシャー副議長の講演が注目されるとしたほか、「10日の2月分の米雇用統計の内容も注目される」と述べた。

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