ダフ・アンド・フェルプスの企業再生スペシャリスト、デービッド・ホワイトハウス氏は週の大半を、ロンドンから列車で2時間のマンチェスターで働く。週2日程度だけ、午前6時59分発の列車に乗ってロンドンへ出勤。ロンドンでは高層ビル「シャード」内にあるオフィスで勤務する。

  マンチェスターは「文字通りロンドン郊外の一角」になったと同氏は話す。英国の欧州連合(EU)離脱で影響を受けるのはロンドンだけではなく、英国のさまざまな地方にも打撃が及びそうだ。「重要な金融サービス拠点としてのマンチェスターの地位をダブリンに奪われたくないが、これは現実味のあるリスクだ」と同氏は語った。

  英金融業界の従業員220万人の大半がどこで働いているかと英国民に聞けば、ロンドンのシティーという答えが恐らく返ってくるだろう。だが実際は、こうした従業員の3分の2はエディンバラやバーミンガム、マンチェスターなどロンドン以外で勤務していることをザシティーUKが2月28日公表したリポートが示している。マンチェスターは金融の拠点というより、19世紀の英国で起きた産業革命の中心地としてい知られている。

ホワイトハウス氏
ホワイトハウス氏
Source: Duff & Phelps Corp.

  ロンドンとスコットランド、北アイルランドを除いた英国の各地方はEU離脱を支持した。離脱をめぐる懸念はこれまで、ロンドンの金融関連の職がドイツのフランクフルトやアイルランドのダブリン、オランダのアムステルダムに移ることが中心だった。だが、ロンドン以外での雇用喪失への懸念も高まってきた。

  英銀バークレイズの個人向け銀行業務トップのスティーブ・クーパー氏は「ロンドンだけの問題と考えてはいられない。ロンドンと英国全体の両方の問題だ」と述べた。

原題:U.K. Finance Jobs at Risk From Brexit Aren’t Confined to London(抜粋)

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