28日の東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=112円台半ばに反落。トランプ米大統領の議会での施政方針演説を控える中、ドル売り・円買いが優勢となった。

  午後3時33分現在のドル・円は前日比0.2%安の112円45銭。米利上げ期待を背景にドル高・円安が進んだ前日の米国市場の流れを引き継ぎ、朝方に112円82銭まで上昇した。その後は上値の重い展開となり、午後の取引終盤には112円42銭まで水準を切り下げた。

  FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、ドル・円の下落について、「輸出の月末駆け込み売りだろう。トランプ大統領演説までは場当たり的な動きが続きそうで方向感が定まらない」と説明。「トランプ演説については、あまり中身に期待できないとして、すでにドルを売っているようなので、演説後は一瞬下がるかもしれないが、すぐに買い戻しの方が強まる可能性」があると見込んでいる。

  
  トランプ大統領は米国東部時間28日午後9時(日本時間3月1日午前11時)に上下両院合同本会議で、施政方針演説を行う。市場では、税制改革、インフラ投資、安全保障など主要な政策の詳細に言及があるかどうかに関心が集まっている。

  同大統領は27日、ホワイトハウスで州知事らに対し、「大規模なインフラ支出を開始する」と発言した。また、ホワイトハウス当局者が同日明らかにしたところによると、2018年度予算案(17年10月-18年9月)では、国防費を540億ドル(約6兆900億円)増額し、他の裁量的政府予算を同額減らして相殺することを提案する見通し。

トランプ大統領
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  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「トランプ大統領の演説を待っている姿勢は変わっていない。米金利・為替はいったん期待ポジションを落とした状況でトランプ演説を迎える」と説明し、演説では税制改革やインフラ投資などの規模や全体の包括的な政策提示が欲しいとも述べた。

  この日の東京株式相場は5営業日ぶりに小反発。日経平均株価は前日比11円52銭(0.1%)高の1万9118円99銭で取引を終えた。

  前日の海外市場では、米地区連銀総裁などの発言を受けて、米債利回りが上昇し、ドル・円は一時112円84銭までドル高・円安が進む場面があった。

  ダラス連銀のカプラン総裁は27日、利上げに対する投資家の見通しを把握しておくことは重要だが、金融政策当局者は「深読みあるいは過剰反応」すべきではないと指摘。当局は「遅くなるよりも早い時期に利上げするべきだろう」と述べた。

  ドイツ証の小川氏は、「イエレン議長とFRB(米連邦準備制度理事会)メンバーはバランスシート縮小よりも先に政策金利を2%程度まで上げたい姿勢。トランプ政権の政策内容が具体的に出れば3月に利上げする可能性もあるだろう」と語った。

  米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した利上げ予想確率によると、3月14、15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性は27日時点で50%と前週末24日の40%から上昇した。

  28日の米国時間には、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、セントルイス連銀のブラード総裁、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が講演する。3月3日にはイエレン議長とフィッシャー副議長が講演する予定。

  FXプライムbyGMOの柳沢氏は、トランプ演説後は、イエレン、フィッシャー講演に関心が移り、ドルは買われる方向とし、ドル・円は114円台半ばから後半まで上昇する可能性があり、「115円台回復はイエレン発言次第」と見込んでいる。一方で、「3月利上げ予想が急に増えているので、曖昧な発言だと失望される可能性」もあると言う。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ユーロ=1.0597ドル。ポンド・ドル相場は同時刻現在、ほぼ変わらずの1ポンド=1.2447ドル。

  バンク・オブ・アメリカ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、「ドルは強いがその相対通貨として、ドル・円はあまり選ばれないのでないか。時期的にはFOMCからフランス大統領選まで1カ月半で市場の注目が行きがち。同じドル買いをするなら対ユーロの方が面白い気がする。もしくはポンド」と指摘。ユーロが一目均衡表で雲を下割れしていることを挙げ、「トランプ以降でいったんドル買いとなった1.03ドル台の下抜けをもう一度試すこともあるだろう」と述べた。

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