債券相場は小幅安。トランプ政権の財政拡大見通しを背景に米長期金利の先高警戒感が根強く残るほか、2年利付国債入札が弱い結果となったことから、売り圧力がかかった。一方、日本銀行の長期国債買い入れの運営方針発表を控えて、下値は限定的となった。

  28日の長期国債先物市場で中心限月3月物は8営業日ぶりに小幅反落。前日比3銭安の150円56銭で開始し、午後に入ると2年入札結果を受けて150円52銭まで水準を切り下げた。その後は横ばい圏に戻し、結局は1銭安の150円58銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「米国の財政期待はいったん剥落して金利が低下していたこともあり、トランプ大統領の議会演説でポジティブな内容が出てくれば、米金利が高くなるリスクが警戒される」と指摘。「日銀の姿勢を踏まえると、地合い自体は悪くないが、オペ運営方針についてはどうなるか分からないというのが正直なところ」とし、「イベントを控えて様子見に近い展開」と説明した。

  財務省がこの日実施した2年債入札の結果は、最低落札価格が100円68銭5厘と、市場予想の100円69銭5厘を下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.93倍と前回5.19倍から低下。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は2銭3厘と昨年7月以来の水準に拡大した。

  バークレイズ証の押久保氏は、2年債入札について「絶対的にも相対的にも割高警戒感があり、買いづらさが素直に表れた結果だった」と指摘。「もともと警戒されていた中でこの程度に収まったという印象もあり、市場は下げで反応したものの影響は限定的だった」と話した。

2年債入札結果はこちらをご覧下さい。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)高い0.05%で寄り付いた。一時は0.055%まで水準を切り上げる場面もあった。

米長期金利の先高警戒  

トランプ米大統領
トランプ米大統領
Bloomberg

  トランプ大統領はこの日の米国時間に就任後初めて議会で演説する。日本時間では1日午前11時の予定で、施政方針を示すとみられている。

  27日の米国債相場は下落。市場が織り込む3月利上げの確率は上昇し、10年債利回りは5bp上昇の2.37%となった。

  損害保険ジャパン日本興亜の石崎竜也グループリーダーは、「トランプ政権の財政政策については、短期的には時間がかかるのではないかとかそんなに大規模なものにならないのではないかという観測が出ているが、景気自体も好循環に入っていると思うので、金利の低下余地は限定的」と指摘。「金利上昇に対する警戒は引き続き必要」とみる。

日銀オペ運営方針

  日銀はこの日の午後5時に当面の長期国債等の買い入れの運営について発表する。事情に詳しい複数の市場関係者によると、3月分からは新たに実施日と購入額のレンジなどを加える見通し。対象は購入規模が大きく回数が多い残存期間「1年超5年以下」、「5年超10年以下」、「10年超」の3ゾーンで、金利上昇時には臨時オペも可能とする。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「リスクは中期債の買い入れ回数(2月6回)の減少だろうが、それが1月下旬からの相場混乱の引き金になっただけに、今回は安全運転で2月と据え置きにするのではないか」と指摘。その上で、「据え置きなら日銀の市場との対話姿勢を好感した堅調地合いを維持しやすいだろう」とみる。

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