28日の東京株式相場は小反発。米国の長期金利上昇や為替の円高一服が好感されたほか、米国のインフラ投資期待で機械など輸出株の一角、セメントなど素材株や海運、石油株が高い。半面、医薬品や情報・通信、食料品といったディフェンシブ業種は安く、相場全般の上値を抑えた。

  TOPIXの終値は前日比1.32ポイント(0.1%)高の1535.32と4営業日ぶり、日経平均株価は11円52銭(0.1%)高の1万9118円99銭と5営業日ぶりに上昇。

  プリンシパル・グローバル・インベスターズの板垣均社長は、「米国は一点の曇りもなく景気は良好で、成長率は2%と3%の間で推移しそう。減税などの刺激策がなくとも、景気は来年いっぱい持つ」と指摘。日本株も企業業績は悪くなく、業績拡大に伴い年末に向け上昇するとみるが、「トランプ米大統領の講演では何が出てくるか分からず、投資家としてはリスクを下げるしかない。それがこう着している要因」と話した。

トランプ米大統領
トランプ米大統領
Photographer: Eric Thayer/Bloomberg

  トランプ米大統領は27日、ホワイトハウスで州知事らに対し「大規模なインフラ支出を開始する」と述べた。財政刺激策への期待が広がったほか、金融当局は早めに利上げべきとダラス連銀のカプラン総裁があらためて発言し、金利先物が織り込む3月の利上げ確率は24日の40%から50%に上昇した。27日の米10年債利回りは2.37%と5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。

  米金利の上昇を受け、28日の為替市場ではドルが買われ、米国株市場ではダウ工業株30種平均が12営業日続伸、最高値を更新した。きょうのドル・円は一時1ドル=112円80銭台を付け、その後ドルの戻りは鈍かったが、前日の日本株終了時点112円12銭に対し終始ドル高・円安水準で取引された。SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、カプラン総裁の発言を受け米利上げ確率が上昇したことについて「一般的な話だが、このタイミングで話したことをマーケットは気にしている」と言う。

  終日堅調だったのは機械株のほか、ガラス・土石製品や鉄鋼など素材株、石油や海運株などだ。SMBCフ証の松野氏は、「トランプ大統領自身や側近の話を総合すると、演説はインフラ関連や軍事関連中心になりそう」と予想。石油関連の上げは、「環境予算を削ることが好感され、米国株市場でエネルギーセクターが上げたことは国内の原油関連株にもプラス」とみていた。 

  もっとも、トランプ米大統領の議会演説が28日に迫り、大引けにかけ急失速。医薬品や情報・通信、食料品などディフェンシブ関連が安く、輸送用機器も下げに転じた。ソフトバンクグループやトヨタ自動車がマイナスで終え、MSCI株価指数のリバランスに伴う売買需要も影響した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荒井誠治投資ストラテジストは、米大統領演説後に「トランプ効果が後ずれするとの見方が広がると、米金利の上昇鈍化による円高であす以降の日本株が売られるリスクも意識している」と指摘した。業種別上昇率上位も、続落中の下落上位業種と同じ顔ぶれで、買い戻しの域を出なかった。東証1部売買高は19億8400万株、売買代金は2兆4611億円。値上がり銘柄数は1203、値下がりは639。

  東証1部33業種は石油・石炭製品、海運、証券・商品先物取引、ガラス・土石製品、機械、精密機器など25業種が上昇。医薬品や情報・通信、食料品、不動産、輸送用機器など8業種は下落。売買代金上位では、来期復配の確度が高まったとクレディ・スイス証券が指摘したIHIのほか、コマツやミネベアミツミ、JXホールディングスが高い。半面、東芝や武田薬品工業は売られ、モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を下げたTDKも軟調。

TOPIXの直近続落期間中の業種別騰落率
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