債券相場は大幅高。先物は昨年12月以来の高値で引けたほか、長期金利は1カ月ぶり低水準を付けた。米国の財政政策や欧州の政治的不透明感を背景にリスク回避の動きが強まり、買い優勢の展開となった。

  27日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前週末比11銭高の150円50銭で取引を開始。午後の取引開始後にはいったん150円47銭まで上げ幅を縮小したが、再び上昇基調に戻り、結局は150円59銭と、昨年12月9日以来の高値で引けた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「トランプ政権の減税策について早期実現の期待が後退する可能性や、フランスの大統領選を巡る不透明感に加え、3月は償還資金や限月交代の買いなど、債券に強気の材料が多い」と指摘。目先はスコットランドの独立を問う新たな住民投票実施の可能性も出ているとし、「海外金利のさらなる低下を連想させるイベントとして超長期ゾーンに関しては支援材料」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)低い0.055%で開始後、0.05%と1月24日以来の水準まで買われた。 新発2年物373回債利回りは一時マイナス0.28%、新発5年物130回債利回りはマイナス0.145%と、ともに昨年11月以来の水準まで低下した。

  超長期債も堅調。新発20年物159回債利回りは0.62%、新発40年物9回債利回りは0.95%と1カ月ぶり水準まで下げた。新発30年物53回債利回りは一時0.805%と、前週末に付けた1カ月ぶり低水準に並んだ。

  イギリス政府がリスボン条約50条を発動し、欧州連合(EU)離脱手続きの開始を通知するタイミングに合わせて、スコットランド行政府が独立を問う新たな住民投票の実施を3月に表明する可能性を想定し、メイ首相のチームが準備を進めている。英紙タイムズが複数の匿名の政府高官からの情報を引用して報じた。

  この日の東京外国為替市場では、一時1ポンド=139円02銭と、7日以来の水準までポンド安・円高が進行。ドル・円相場もリスク回避の動きを背景に一時1ドル=111円92銭と、9日以来の円高値を付けた。

国債買い入れオペ

  日本銀行はこの日の金融調節で残存期間「1年以下」、「1年超3年以下」、「3年超5年以下」の国債買い入れオペを実施。応札倍率は1年超3年以下が4.2倍、3年超5年以下が4.45倍と、昨年5月以来の水準に上昇した。

日銀国債買い入れの結果はこちらをご覧下さい。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「中期ゾーンのオペで応札倍率が上昇したのは、明日の2年債入札が意識された可能性がある」と指摘する。

  財務省は28日、2年利付国債の入札を実施する。表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回と同じ2兆3000億円となる。

米長期金利低下

  24日の米国債相場は大幅高。欧州国債の上昇に連れ高となったほか、米財政政策への期待感の後退が背景となり、10年債利回りは前日比6bp低下の2.31%となった。

トランプ米大統領
トランプ米大統領
Photographer: Olivier Douliery/Pool via Bloomberg

  トランプ大統領は28日に議会演説を行う。9日には税制改革案が今後「2、3週間」内に発表されるとのトランプ大統領の発言に反応し、利回りは大きく上昇していたが、税制改革案は発表されていない。
  
  みずほ証の辻氏は、「米金利はトランプ大統領の議会演説に先行して下がっている」とし、「大統領が予告した驚異的な税制改革案に対し、本当に実現出来るのか、効果が表れるまでに時間がかかる、といった疑念があるからだ」と説明。「金利低下を先取りしてしまった分、やはり無理だという見方が強まっても、さらに低下するかは疑問だ」と話した。  

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE