27日の東京株式相場は続落し、一時日経平均株価は1万9000円を割り込んだ。米国の金利低下や為替の円高傾向で企業業績の改善期待が後退し、保険や銀行など金融株、海外原油安も響いた鉱業、石油など資源株中心に幅広い業種が安い。

  TOPIXの終値は前週末比16.14ポイント(1%)安の1534、日経平均株価は176円7銭(0.9%)安の1万9107円47銭。

  三井住友アセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネージャーは、「トランプ米大統領の議会演説では期待されたほどの内容が出てこないということがマーケットに浸透し始めている」と指摘。米10年債利回りは市場が気にしている微妙な水準に来ており、「今後の明確なトレンドが出る前に株式のポジションを一方向に傾けるにはリスクが高いとの心理状況」と話した。

東証内
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  24日の米国債は大幅に上昇、10年債利回りは2.31%と6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。税制改革案が2、3週間内に発表されるとのトランプ米大統領の発言から2週間が経過しても発表されず、バンク・オブ・アメリカ(BOA)のエコノミストらは24日、「ことしは財政面の刺激策は事実上ゼロ」と予想した。

  丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「トランプ米大統領は財政を拡大させると言っているが、極端な拡大は共和党も容認し難いだろう。米債券市場は減税や歳出拡大で売られ過ぎた分を修正している」と分析。米金利が低下基調となる中での円高進行で、「日本株は為替の動向により敏感になっている」と言う。

  米政策をめぐる不透明感に加え、欧州の政治情勢への警戒も続き、為替市場では逃避需要からの円買いが先行。きょうのドル・円は一時1ドル=111円90銭台と、前週末の日本株終値時点112円82銭からドル安・円高に振れた。午後は円高の勢いが鈍ったが、112円台前半で取引された。日経平均は一時、2月9日以来となる一時1万9000円割れ。終値で日経平均は4日続落、TOPIXは3日続落し、両指数の連続下落はことし最長となった。

  業種別で下げが目立ったのは金融セクターだ。金利上昇期待が遠のき、24日の米S&P500種株価指数の業種別指数で金融が0.8%安と半月ぶりの下落率となった影響を受けた。日本の金融株は米金融規制緩和の波に乗ったが、丸三証の牛尾氏は「メガバンクは本業に目を向けると、昨年12月までの段階で利ざやは縮小し、本業収益はマイナスだった」とし、規制緩和だけでは買い手掛かりに乏しいだけに、金融株は「金利動向に左右されやすい」との見方を示す。

  日経平均は午前に一時287円安まで売り込まれたが、その後はやや下げ幅を縮小、心理的節目の1万9000円は維持して終えた。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、今週発表される米国、中国の経済指標について「拡大の事前予想が多い」とし、ファンダメンタルズ面は日本株の下値をサポートするとみている。

  東証1部33業種は保険や鉱業、銀行、証券・商品先物取引、不動産、海運、石油・石炭製品、鉄鋼など31業種が下落。鉱業や石油は、24日のニューヨーク原油先物が0.8%安と反落したことを受けた。小売、水産・農林の2業種のみ小幅に上昇。

  売買代金上位では、ソフトバンクグループや三菱UFJフィナンシャル・グループ、東芝、第一生命ホールディングス、東京海上ホールディングス、SUMCOが安い。ゴールドマン・サックス証券が投資判断を下げた三菱電機も売られた。半面、三菱自動車や良品計画、花王、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が判断を上げたディー・エヌ・エーは高い。東証1部の売買高は18億3833万株、売買代金は2兆1395億円。値上がり銘柄数は431、値下がりは1458。

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