23日メキシコを訪問した米国のティラーソン国務長官とケリー国土安全保障長官は、メキシコの外相および内相と会談し、数百万人に上る可能性のあるメキシコ不法移民の国外退去について、同国と協調して対応していく方針を明らかにした。これより先、トランプ大統領は自身の移民政策実施には「軍事行動」が必要だと発言していた。

  ティラーソン、ケリー両長官は、メキシコ側との会談で、貿易を含む二国間問題全般を重点的に話し合いたい意向だったが、両長官の発言は移民問題一色となり、ケリー長官の発言はトランプ大統領の国外退去政策に真っ向から反論しているかのような内容だった。

会見する米国のティラーソン、ケリー両長官
会見する米国のティラーソン、ケリー両長官
Photographer: Susana Gonzalez/Bloomberg

  「繰り返すが、移民をめぐる行動では軍事力を行使しない。ゼロだ」とケリー長官はメキシコシティーでの会見で述べた。同長官は元米陸軍大将。

  この会見の数時間前、トランプ大統領はホワイトハウスでの朝の会合に先立ち、自身の国外退去政策について、「これは軍事行動だ。なぜならこれまで聞いたこともないようなギャングの暴力やさまざまな事態を見ていると、やっているのはほとんど不法滞在者だ」と述べていた。

  ホワイトハウスのスパイサー報道官は大統領の発言について、トランプ氏は「『軍事行動』という表現を形容詞として使った」のであり、同政策が「的確に」執行されることを意味したと会見で釈明した。

  国境の治安と移民に関する政府機関を統轄するケリー長官はさらに、米国からの「大規模な国外退去」はないだろうと誓った。ただ、メキシコ国境から米国に入ったメキシコ人以外の国外退去対象者をメキシコに送り返す計画について、同氏もティラーソン長官も言及しなかった。メキシコは同計画に反対している。

  ティラーソン、ケリー両長官は23日中にペニャニエト大統領と会談する予定。

原題:Trump Deportation Plan Dominates Mexico Trip by Kelly, Tillerson(抜粋)

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