欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが続落、米財務長官が財政出動の影響遅くなると指摘

  23日の外国為替市場ではドルが続落。主要10通貨の大半に対して下げた。ムニューチン米財務長官が財政出動が今年の景気に及ぼす影響は限定的になる可能性があると指摘したことが、ドル売りを誘った。

  米金融当局者のタカ派的な発言や欧州の政治情勢の動向と、経済や金利のファンダメンタルズの間で、トレーダーや投資家はバランスを取るのに苦慮している。ロンドンや欧州、トロントのトレーダーによると米国債はユーロ圏の国債に比べて利回りがはるかに高く、ドルは長期的に有利な状況が続くと考えられる一方、フランス政局の緊張緩和を受けたユーロの上昇は長続きしない可能性がある。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.3%低下。ドルは対円で0.6%安の1ドル=112円61銭。対ユーロでは0.2%安の1ユーロ=1.0582ドルとなった。

  センチメントと利回り差はドルの押し目買いを後押ししているものの、ドルが100日移動平均を下回っていることからテクニカル要因はそれほど強気を示唆していない。
  フランス大統領選挙を巡る懸念を反映し、今後2カ月に期限を迎え、行使価格が現在のユーロ水準よりも低いオプションの需要が強い。反ユーロ派の候補、ルペン国民戦線(FN)党首は4月23日の第1回投票で首位となるが、決選投票では敗れると予想されている。

  一方、米10年債利回りの低下はドルを圧迫した。22日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に端を発した同国債利回りの低下はこの日も続き、2月9日以来の低水準を付けた。最近は米金融当局者からタカ派的な発言が相次いでいるが、議事録は3月利上げの可能性を高めなかった。市場が織り込む3月利上げの確率は38%前後。

  独アリアンツの主任経済顧問、モハメド・エラリアン氏は債券市場が3月利上げの可能性を過小評価していると発言。ダラス連銀のカプラン総裁は「早めに」当局は動くべきだと語った。
原題:Dollar Stays on Defensive as Mnuchin Sees Stimulus Later Effect(抜粋)

◎米国株:ダウ平均が10日連続で最高値更新、1987年以降で最長

  23日の米国株は最高値付近で推移し、ダウ工業株30種平均は10日連続で最高値を更新した。公益事業株や通信株が買い進まれ、素材株や資本財サービス株の下げを補った。

  ダウ工業株30種平均は34.72 ドル(0.2%)高の20810.32ドル。10日連続高は2013年3月以来の最長。最高値の連続更新記録としては1987年以来で最長だった。S&P500種株価指数は0.1%未満上昇して2363.81。前日公表された連邦公開市場委員会(FOMC、1月31日-2月1日開催)議事録で緩やかなペースでの利上げに対する自信が示された。
  S&P500種のセクター別11指数のうち、この日は資本財・サービスや一般消費財・サービス、情報技術が売られた。公益事業と電気通信サービスは1%高。米10年債利回りは2.376%に下げた。

  BNPパリバが算出する「ラブ-パニック」コントラリアン(逆張り投資家)市場センチメント指数は、米国株への「ラブ」を示唆している。「ラブ」は利益確定もしくは下振れに備えたポジションの潜在的なシグナル。米国株については向こう6カ月に12%調整の可能性を示唆した。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は前日とほぼ変わらずの11.72。
原題:Dow Industrials See 10 Straight Records, Longest Since 1987(抜粋)

◎米国債:30年債と5年債の利回り格差が拡大-財務長官の発言受け

  23日の米国債市場では、5年債と30年債の利回り格差(イールドカーブ)が拡大。50年物や100年物の米国債発行という考えは検討する価値があるとのムニューチン米財務長官の発言に反応した。

  ムニューチン長官はこの日、経済専門局CNBCのインタビューで、金利が長期にわたって低い水準にとどまると見込まれることから、超長期債の発行を「真剣に検討すべき」だと語った。その上で、長官はスタッフに対して超長期債の発行についての調査を開始するよう指示したものの、具体的な内容については発表する段階にはないと話した。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時59現在、30年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.01%。5年債利回りは5bp下げて1.86%で、利回り格差はこの日最大に近い115bp。

  ムニューチン長官はこれまでに、年限に関しては「全てが検討対象だ」と述べているものの、アナリストの多くは超長期債発行が実現する可能性は低いとみている。

  この日実施された7年債入札(発行額280億ドル)では、最高落札利回りが2.197%となった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.49倍だった。
原題:Mnuchin’s Ultra-Long Bond Chatter Sends Treasuries Curve Steeper(抜粋)

◎NY金:上昇、3カ月ぶり高値-ドル下落で代替需要が高まる

  23日のニューヨーク金先物相場は上昇し、昨年11月以来の高値となった。ドルが下落したことを背景に、代替投資としての金の妙味が高まった。前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、金融政策当局者らは緩やかなペースでの利上げに対する自信を示し、多くの参加者が大幅なインフレのリスクは小さいと判断した。

  RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジスト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、低い金利は「ドルを圧迫し、金価格を押し上げる」と指摘。「チープマネーはこれまで金価格の上昇を後押ししてきた」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比1.5%高の1オンス=1251.40ドルで終了。一時は1252.20ドルと、昨年11月11日以来の高値をつけた。
原題:Gold Rises to Three-Month High as Dollar Sags on Fed Outlook(抜粋)

◎NY原油:反発、1年7カ月ぶり高値-在庫が予想ほど増加せず

  23日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反発し、2015年7月以来の高値で引けた。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間データによると、先週の米原油在庫は市場が予想していたより小幅な伸びにとどまった。

  コンサルティング会社ショーク・グループ(ペンシルベニア州ヴィラノヴァ)のスティーブン・ショーク社長は、「市場には投機の動きが極端なほどに広がっており、ウォール街は積極的に資金をつぎ込んでいる」と指摘。「いまだに石油輸出国機構(OPEC)頼みだ。来月にメンテナンスが終わる製油所にも期待がかかる」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比86セント(1.60%)高い1バレル=54.45ドルで終了。終値ベースでは2015年7月2日以来の高値。ロンドンICEの北海ブレント4月限は74セント(1.3%)上昇の56.58ドル。
原題:Oil Rises to 19-Month High as U.S. Supply Gain Trails Forecast(抜粋)

◎欧州株:小幅安、バークレイズが安い-好決算でテレフォニカに買い

  23日の欧州株式相場は小幅安。決算を手掛かりにスペインの通信会社テレフォニカやフランスの建設会社ブイグが買われたものの、銀行株と鉱業株が下落した。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%安の372.85で終了。銀行株では英バークレイズが2.6%値下がり。四半期利益が予想に届かなかったほか、資本に悪影響を及ぼし得る年金積み立て不足の可能性を複数のアナリストが指摘した。

  ストックス600指数は前日に1年2カ月ぶり高値を付けたものの、この日は精彩を欠いた展開だった。だが、50日平均移動線を依然として大きく上回っており、年初来では3.2%上げている。

  テレフォニカは1.8%上昇。コスト削減や料金引き上げで、昨年10ー12月は増益を確保した。ブイグは4.1%値上がり。今年の収益率が高まるとの見通しが好感された。

  BNPパリバが算出する「ラブ-パニック」コントラリアン(逆張り投資家)市場センチメント指数は、米国株への「ラブ」とユーロ圏株式への「パニック」を示唆。同行のストラテジストらはリポートで、同指数はユーロ圏の株式が今後数カ月、米国株をアウトパフォームする可能性を示唆していると指摘した。
原題:Europe Stocks Inch Further Away From 1-Year High as Banks Slide(抜粋)

◎欧州債:フランス国債が続伸-マクロン氏の中道連合受け入れを好感

  23日の欧州債市場ではフランス国債が続伸するなど、ユーロ参加国の国債は総じて上昇。フランス大統領選で無所属候補のマクロン前経済相が中道のフランソワ・バイル氏との共闘に合意し、決選投票進出の可能性が高まったことを好感した。

  フランス10年債利回りは2週間ぶりの低水準を付けた。マクロン氏は22日遅く、穏健派の票が割れることを避けるためバイル氏の共闘の申し出を受け入れたことを明らかにした。さらに決選投票についてのオピニオンウェイの世論調査で、マクロン氏がルペン国民戦線(FN)党首に60%対40%で勝利するとの見通しが示され、フランス国債は上げ幅を拡大した。株が引けにかけて軟化したことを受け、安全資産とみなされるドイツ国債も上げ幅を広げた。

  ゴールドマン・サックスのグローバル・マクロ・アンド・マーケット・リサーチ部門共同責任者フランチェスコ・ガルザレリ氏はブルームバーグテレビジョンに対し、「フランスが欧州債市場を複雑にしているのは間違いない」と述べた上で、「価格のクロスセクションでは、数年前のようなシステミックリスクに見舞われる恐れを示唆するものは何も見られない」と語った。

  ロンドン時間午後4時12分現在、フランス10年債利回りは前日比3.7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.98%。ドイツ10年債利回りは4.8bp下げ0.23%。

  イタリア10年債利回りは3.7bp上昇の2.23%。20億ー30億ユーロ規模の10年債発行を来週に控えていることが重しとなった。

* ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください。
原題:French Bonds Rally After Macron Boosts Presidential Campaign(抜粋)
OATs Gain as Short Covering Boosts; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

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