23日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=113円台前半で上値の重い展開。米国の次回利上げ時期をめぐる不透明感が続く中、軟調な日本株を背景にやや円買い圧力がかかった。

  午後4時15分現在のドル・円相場は前日比0.1%安の113円17銭。朝方に113円46銭まで強含んだ後は円買いが優勢となり、午後には一時113円08銭まで値を下げる場面が見られた。

  あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、東京時間に入ってからは株が一時弱かったことを受けて円高方向の動きとなっているが、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が想像していたほどタカ派ではなかったということで3月の利上げの可能性が薄れており、「やはりドル買いに走りづらい」と説明。欧州の政治リスクもくすぶっており、「短期的には円高方向のリスクをケアせざるを得ない」と語った。

  23日の東京株式相場はほぼ横ばいで取引を終えたが、主要株価指数は終日マイナス圏で推移し、日経平均株価は一時117円安まで下げ幅を拡大する場面が見られた。

  ブルームバーグが米金利先物動向を基に算出している3月の米利上げの予想確率は、22日時点で34%と前日の36%から小幅低下。22日公表のFOMC(1月31日-2月1日開催)議事録では、景気過熱リスクを回避するために「かなり早期」の利上げが適切になる可能性が指摘された一方、短期的なインフレリスクへの懸念がほとんどないことを示唆する発言や一段のドル高による下振れリスクを指摘する声があった。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット・為替セールスチームの西田朋広主任調査役は、「利上げに対する見方はいろいろあって、3月というのはメーンシナリオではない」とし、トランプ政権の減税策が待たれる中で、「ドルを積極的に買いにいく材料がない」と指摘。そうした中で、ドル・円はどうしても月末や年度末を控えた需給に抑えられがちになっていると話した。

  ムニューチン米財務長官は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、強いドルが米経済への信頼を示しており、長期的にドル上昇が「良いことだ」と述べた。同時に、短期的なドル上昇については、良いことであったり、「それほど良くない」影響をもたらす公算もあるとの注釈を加えた。

  一方、日本銀行の木内登英審議委員は23日、甲府市内で講演し、2018年度まで物価上昇率は2%を大きく下回り続けるとの見通しを示した。

  FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、日中のドル・円の動きについて、「FOMC事録に反応し過ぎて、ムニューチン米財務長官発言で戻したものの、上値が重いと感じていたところに株安が強まり、ドル上昇が失速した」と説明。仲値でややドル売りが強かったところに、木内委員の発言も加わり、やや下げ幅を拡大したと話した。

  ユーロ・ドルは0.1%安の1ユーロ=1.0550ドル。前日の海外市場では仏大統領選に対する懸念の緩和で1.0600ドル割れの水準から1.0574ドルまで反発したが、この日の東京市場では伸び悩む展開となった。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「仏大統領選に向けて情勢が変わりやすい中、どうしてもユーロはダウンサイドリスクが拭い切れないことから、ユーロは戻り売りがメーンになってしまう」と指摘。「ユーロ・円やポンド・円は下値を探りやすい状況が続きそう」と語った。

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