23日の東京株式相場は小幅安。米国の早期利上げ観測が後退、ドル高・円安が進みにくくなっている為替動向が重しとなった。証券や銀行など金融株が安く、非鉄金属や鉄鋼など素材株、輸送用機器や電機など輸出株が軟調。

  半面、国内外ファンダメンタルズの好転期待が根強く、朝方の売り一巡後の株価指数は下げ渋り。利益重視の戦略転換観測からヤマトホールディングスは急伸し、1銘柄で日経平均を7円弱押し上げた。

  TOPIXの終値は前日比0.84ポイント(0.1%)安の1556.25と4営業日ぶりに反落し、日経平均株価は8円41銭(0.04%)安の1万9371円46銭と続落。

  損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの狩野泰宏シニア・インベストメントマネジャーは、「日本株にとって米国の国境調整税など詳細の確認が必要。米国株のように、減税期待を素直に反応することができない」と指摘。米国の保護主義的な政策が日本に与える影響を見極める必要があり、再度の本格上昇には「来期1株利益のコンセンサス切り上がりが必要」と話した。

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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米連邦準備制度理事会(FRB)が22日に公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(1月31日-2月1日開催)によると、多くの参加者がかなり早期の利上げが適切になる可能性を指摘した半面、投票権を持つメンバーの多くは「インフレ圧力が顕著に高まるというシナリオが現実化するリスクは低いものにとどまる」と予想した。

  議事録を受け、金利先物市場が織り込む3月の米利上げ確率は34%と21日の36%からやや低下。22日の米10年債利回りは2.41%と2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げた。また、同日の米S&P500種株価指数は0.1%安と軟調、ニューヨーク原油先物も1.4%安と反落した。野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、議事録は「タカ派的なものになると期待されていたが、トランプ政権の経済刺激策への不安などを考慮すると慎重にならざるを得ないとの表現があり、タカ派的ではなかった」と言う。

  海外発の買い材料に乏しい中、きょうの日本株は前日終値付近で開始、為替市場で円がやや強含んだ午前中ごろにかけ日経平均は一時117円安まで売られた。史上最高値圏にある米国株の今後の波乱警戒も株安要因の1つ。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「28日のトランプ米大統領の議会演説後は米国株が材料出尽くしである程度下がると分かっている以上、買えない」とし、目先は3月期末を控えた国内機関投資家の機械的な売りに押されやすいとみる。

  きょうのドル・円は、朝方の1ドル=113円40銭台から午後に一時113円8銭まで円が強含んだが、大引けにかけては円高の勢いが弱まった。前日の日本株終値時点は113円46銭。一方的に売り圧力が高まらない背景には、国内外の堅調なファンダメンタルズに対する安心感がある。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「世界景気に敏感な台湾の輸出、日本の工作機械などのハードデータは改善傾向。業績の改善度合いや回復モメンタムが強まっていく可能性が高い好業績銘柄の物色は途切れていない」と話していた。

  東証1部売買高は19億6106万株、売買代金は2兆44億円。代金は前日から5%弱減ったが、かろうじて2兆円の大台を維持。上昇銘柄数は1013、下落は848。東証1部33業種は証券・商品先物取引、非鉄金属、鉄鋼、銀行、その他金融、輸送用機器、電機など15業種が下落。鉱業や空運、倉庫・運輸、医薬品、食料品、石油・石炭製品、卸売、陸運など18業種は上昇。鉱業は、アジア時間23日のニューヨーク原油先物の上昇がプラスに作用した。

  売買代金上位では東芝や三井住友フィナンシャルグループ、野村ホールディングス、ホンダ、東宝、スタートトゥデイが安い半面、日本経済新聞の報道をきっかけに宅配便の荷受量抑制観測が広がったヤマトHDは大幅高。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、利益確保が最優先の戦略を取ることになる点でポジティブとの見方を示した。クレディ・スイス証券が投資判断を上げたSMC、三菱モルガン証が目標株価を上げたANAホールディングス、大和証券が判断を2段階上げたサイバーエージェントも高い。

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