砂漠に立つサウジアラビアの高級キャンプリゾート「シェイデン」の開業まで、あとわずかに迫っている。開業式に参席する王族の代表団も向かっている。だが、準備が整っているとは言えない様子だ。

Mada’in Saleh, a UNESCO World Heritage Site, in Saudi Arabia
Mada’in Saleh, a UNESCO World Heritage Site, in Saudi Arabia
Photographer: Vivian Nereim/Bloomberg

  シェイデンのロイヤルスイートは1泊1万リヤル(約30万円)。この庭に放す予定のクジャクはまだ到着していない。カフェに新鮮な牛乳を提供するため連れてこられた乳牛の鳴き声が一晩中響く。プロジェクト開発を担当したアフマド・アルサイード氏は「黙ってくれないんだ」と嘆く。

Farmer Ahmed Al Masoud offers visitors fresh camel milk.
Farmer Ahmed Al Masoud offers visitors fresh camel milk.
Photographer: Vivian Nereim/Bloomberg

  サウジアラビア全体としても旅行者を受け入れる用意ができていない。観光ビザの発給はなく、アルコールは禁止、服装の規則も厳しく、男女が同じ場にいることも制限される。しかも外国人旅行者に目を光らせる秘密警察、イスラム教に反した行為がないか見回る宗教警察がいる。サウジ国民の間ですら、服装が自由でナイトクラブや映画館など好きなように行けるドバイでの休暇を好む人が多い。

  それでも若者への雇用創出と石油に依存しない歳入の増加などを意図し経済の大改革を果たす狙いから、政府の優先課題の上位に観光業の振興がある。国王の子息、スルタン・ビン・サルマン遺跡観光庁長官が旗振り役を担う。同長官は自身が長年働き掛けてきた構想に、ようやく国として気がつきつつあると語った。

Master bedroom in the royal suite at Shaden.
Master bedroom in the royal suite at Shaden.
Photographer: Vivian Nereim

  長官はリヤドで行われたインタビューで「観光客が興味を持ちそうな名所だけでなく、空港や道路など観光を支えるインフラにも多額の投資を実施した」と発言。保守的なサウジを外国人に開放すれば問題が生じるとの懸念を否定した。

  「社会的な環境が合っていないと言う人もいるが、そのような人々にはこう話し続けている。社会環境は後から付いてくると。そしてそれは、今まさに実現しつつある」と続けた。

原題:Sun, Sand, Vice Police: Holidays in Saudi May Be a Hard Sell (1)(抜粋)

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