オーストラリアのアウトバック(砂漠を中心とした内陸部)の最北部に広がる気候的に恵まれた地域で、サンダルウッド(ビャクダン)の世界的なプランテーションの15年に及ぶ辛抱がもうすぐ実を結びそうだ。

  豊かな香りで知られる半寄生植物のサンダルウッドはそのまま香木として用いられるほか、抽出されるエッセンシャルオイルは香水や化粧品、医薬品に利用される。このサンダルウッドが植え付けから10年以上を経て、ようやく成木になりつつあるのだ。

  サンダルウッドは最大産地のインドで生産が減る一方、中国で需要が高まっており、価格が急速に上昇している。インディアンサンダルウッド・オイルの価格は1キログラム当たり約3000ドル(約34万円)で、これは銀の5倍だ。南インド・サンダルウッド製品・販売業者・輸出業者協会によれば、価格は年間少なくとも20-25%のペースで上昇している。こうした状況からTFSと、KKRが支援するサンタノル・グループが運営するオーストラリアのプランテーションで育てられたサンダルウッドの成木は1本当たり約1500ドルの価値となる。

フランク・ウィルソン氏
フランク・ウィルソン氏
出所:TFS

  TFSのフランク・ウィルソン最高経営責任者(CEO)はパースから取材に応じ、「需給面で根本的な不均衡が生じている」とし、「われわれはプライスメーカーだ」と述べた。

  TFSによれば、世界のサンダルウッド需要は2025年までの10年間で5倍の年間2万トンに増える見通しだ。増加分の半分は中国が占める。南インド・サンダルウッド製品・販売業者・輸出業者協会の名誉幹事M.M.グプタ氏は、インド政府による生産・輸出制限もあり、同国からの合法な形でのサンダルウッドの供給は限定的だと話す。

  パリから電話で取材に応じたサンタノルのレミ・クレロCEOも「このビジネスは非常に大きなものになる可能性がある」と語った。サンタノルは現在、サンダルウッドオイルを1キロ当たり3000ドルをやや下回る価格で販売している。

オーストラリア・カナナラにあるサンタノルのインディアンサンダルウッドの苗床
オーストラリア・カナナラにあるサンタノルのインディアンサンダルウッドの苗床
出所:サンタノル

  クレロCEOは、同社が西オーストラリア州の州都パースから約3000キロ離れた、同州とノーザンテリトリーの境に位置するカナナラのプランテーションについて、そうした供給不足を一部埋める役割を果たすことになると説明した。  

  グプタ氏は「オーストラリアはインディアンサンダルウッド市場でもう10年、シェアを伸ばす」と予想している。

オーストラリア・カナナラにあるTFSのインディアンサンダルウッドのプランテーション
オーストラリア・カナナラにあるTFSのインディアンサンダルウッドのプランテーション
出所:TFS

  TFSも西オーストラリア州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州の北部にまたがる3万エーカーのプランテーションでの生産を木材にして現在の30倍の年間1万トンに増やす計画だ。「非常に美しく、起伏の激しい、降水量の多い、非常に肥沃(ひよく)な地域だ。砂漠のオアシスだよ」とウィルソン氏は語った。

原題:At $1,500 Each, These Aromatic Trees Are Very Precious Parasites(抜粋)

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