アイオワ州知事のテリー・ブランスタッド氏が駐中国大使に起用されたのを祝うパーティーが先月開かれた。地元住民らが飲み、踊り、油で揚げた菓子トゥインキーをつまむ中、同氏の側近は中国の高官らを上階の個室に案内した。

ブランスタッド氏
ブランスタッド氏
Photographer: Albin Lohr-Jones/Pool via Bloomberg

  個室で待っていたブランスタッド氏その人。高官らはスマートフォンを素早く取り出して写真を撮った。状況を直接知る匿名の関係者3人によると、ブランスタッド氏が階下に降りてきた時にも騒ぎとなった。30人ほどの中国人招待客が押し合いへし合いして同氏に近づこうとした。

  一連の出来事は、中国の当局者やビジネスマンがトランプ米大統領に影響力を持つ人物と知り合いになることにどれほど躍起になっているかを示すものだ。先行きは険しそうに見えた。トランプ大統領は当時、中国にとって譲れない線である台湾の地位に疑問を投げ掛け、貿易戦争をも辞さない構えを示していたからだ。

  それから1カ月が経過し、米中関係はわずかではあるが安定しつつある。トランプ大統領は台湾に関する発言を撤回し、中国の習近平国家主席との電話会談で「一つの中国政策」を尊重することで合意した。トランプ氏の長女イバンカさんはワシントンの中国大使館で催された春節(旧正月)の祝いに出席。それより前には、夫で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー氏が駐米中国大使と複数回にわたって会談した。トランプ新政権の主要閣僚らも、中国側のカウンターパートとの意見交換などを始めている。

イバンカ氏
イバンカ氏
Photographer: Xinhua/Liu Yang via Getty Images

  現在の大きな問題の一つは、ホワイトハウスでどちらの勢力が優勢かだ。より穏健なブランスタッド、クシュナー両氏、マティス国防長官の側か、それとも対中強硬派のバノン首席戦略官兼上級顧問や国家通商会議(NTC)のナバロ委員長らの路線か。

  ブッシュ大統領(当時)の中国問題顧問を務めたポール・ヘンリー氏は、「米中の政策の重心がどこに置かれるか分からないため、私は今はまだ安定しているとは思わない。全ては、最も影響力を持つのは誰になるかという点にかかっている」と述べた。

  中国の当局者は主要問題についてのトランプ氏の立場をつかもうと精力を注いできた。事情を直接知る政府関係者によれば、政府職員らは昨年11月の米大統領選後、何週間にもわたって時間外勤務をし、トランプ氏のツイッターアカウントを徹底調査。ブロックされているウェブサイトにVPNソフトを使ってアクセスし、同氏の政策スタンスの手掛かりを探った。

  米中両国は北朝鮮問題では協力できるかもしれない。しかし、中国にとってより大きな問題は経済分野で、そこには依然問題がある。トランプ大統領が何を欲しているのか、中国がはっきりとつかんでいないことだ。

  米中央情報局(CIA)で中国担当分析官を務めていた戦略国際問題研究所(CSIS)顧問のクリストファー・ジョンソン氏は、中国は「取引をまとめたいと思っているが、米国の要求が分からない状況だ」と指摘した。

原題:Over Twinkies and Tweets, China Seeks Clues on Trump Policy (1)(抜粋)

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