継続する中国からの資金流出先はどこか。ブルームバーグインテリジェンスで推計した避難通貨指数は、ビットコイン、金、日本円が中国投資家にとって人民元からの資金の魅力的な避難先となり得ることを示している。

  これらの避難先の需要は、2016年初めの中国株の急落、英国の欧州連合(EU)離脱投票のショック、トランプ氏の米大統領選の勝利など、投資家がリスク回避的になるイベント時に高まっている。

  15年8月の小幅な通貨切り下げ以降、人民元の通貨安傾向は続いている。それに対して、円、金、ビットコインの価値は同期間に上昇している。米大統領選後の米国金利上昇により、金価格と円の対ドル為替レートは弱含み、ビットコインも中国当局による規制強化の動きから反落したが、リスクオフ時の相対的な避難場所としての地位は維持している。

  • 円の「避難通貨」指数(注)は、07年以降、金融ショック時に通貨高となる避難通貨の性質を円が対人民元だけでなく、対ドルでも獲得したことを示しており、日本円が中国からのより魅力的な避難先となっている。
  • 金の人民元に対する避難通貨指数は、14年半ば以降、リスクオフ時に金が人民元に対しておおむね好まれる状況が続いていることを示している。同時期に中国の外貨準備は減少に転じ、中国からの資金流出を伴っている可能性も高い。人民元の見通しについて不確実性が高まる中、中国国内では家計主導の金需要が金の産出を上回る状況が続いている。
    通貨別のビットコイン取引比較
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  • ブルームバーグインテリジェンスの避難通貨指数は、伝統的な通貨に加え代替通貨への需要も増していることを示している。
  • 同指数によると、13年上旬以降、リスクオフ時にビットコインが人民元に対して志向される状況が続いており、ビットコインの16年末の対人民元での取引シェアは95%を超えている。
  • 一方、中国当局のビットコイン取引に対する監視強化は17年に入ってからのビットコインの価格急落および取引高急減につながり、避難通貨としての価値について疑問を投げ掛けた。
  • ただし、ビットコインの取引所における監視強化後は、P2P(個人間)でのビットコイン取引が増加しており、当局とのいたちごっこは続く。

    (注)避難通貨指数は、米国の恐怖指数と2カ国の国債2年物の金利差の変化幅(ビットコインと金の場合は無利子を仮定)を用いて、両通貨の交換レートの日次変化率に対して250営業日ごとのローリング回帰分析を行うことによって算出される。


    ー原文の英語記事へのリンク;ASIA INSIGHT: Bitcoin, Yen Emerge as China Capital Safe Havens ASIA INSIGHT: Bitcoin, Yen Emerge as China Capital Safe Havens
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