TOPIX小幅に3日続伸、景況改善期待が根強い-素材、海運上げる

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  • ドル・円推移に一喜一憂、円高方向への動きは限られる
  • レオパレスなど不動産株や内需セクター軟調、指数重しに

22日の東京株式相場は、TOPIXが小幅に3日続伸。世界的な景況感改善への期待が根強い中、アナリストが投資判断を上げたJFEホールディングスなど鉄鋼株が上昇、東レなど繊維株といった素材セクターが高い。海運株のほか、自社株買い好感の楽天などサービス株も上げた。

  半面、不安定な為替動向が嫌気され、日経平均は小安く引けるなど上値も限定的。業種別では、ビジネスモデルに不透明感が広がったレオパレス21を中心に不動産株の下げが目立った。

  TOPIXの終値は前日比1.49ポイント(0.1%)高の1557.09と昨年来高値を更新、日経平均株価は1円57銭(0.01%)安の1万9379円87銭と小幅ながら3営業日ぶりに下げた。

  ドルトン・キャピタルの松本史雄シニアファンドマネジャーは、主要企業の来年度経常利益が1割程度増えるとの予想に基づき、「5月の決算発表シーズンにかけ、日経平均が2万円を回復するとの見方を変える必要はない」と指摘。ただし、業績予想の上方修正が緩やかなため強気になり切れず、昨年11ー12月急騰のスピード調整が続いている面もあり、「為替や金利、米景気見通しなどマクロファクターが明確に良くなるのを待っている」との見方も示した。

東証内の株価ボード前

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  トランプ米大統領は、来週28日に上下院の合同本会議で演説する予定だ。今後2、3週間で驚異的な税制措置をまとめると9日に発言した経緯があり、内容を見極めようと市場参加者の間で様子見姿勢が強まっている。

  政策内容に期待感が根強い半面、内藤証券の田部井美彦市場調査部長は、「減税策が肩透かしに終わり、演説を境に米国株が調整するとの警戒感もある」と言う。

  この日の日本株は、前日の米国株の最高値更新や為替の安定を受け続伸して始まった後、TOPIXは午後にかけ前日終値を挟んでプラス、マイナス圏を往来する方向感に乏しい展開。ドル・円は早朝の1ドル=113円70銭台から一時同30銭台まで円が強含んだが、その後の円高の勢いは限られた。

  TOPIXが小高く終わった背景の1つは、世界的な景況感改善に対する根強い期待だ。IHSマークイットが21日に発表した2月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値は56.0と、市場予想の54.3を上回った。同日のストックス600指数は0.6%高の373.40と1年2カ月ぶりの高値、最高値を更新した米国株ではウォルマートなど小売企業の好決算が材料視された。また、ニューヨーク原油先物は1.2%高の1バレル=54.06ドルとほぼ8週ぶりの高値を付けた。

  一方、松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、米国での「減税規模の不透明感、財政支出の難航が予想され、米国金利は短期に比べ長期が伸びず、ドル高・円安が進まない」と指摘。投資資金は高値更新が続く米国株に向かいやすく、日本株は「個別銘柄中心の物色」と話していた。

  東証1部33業種は海運や鉄鋼、繊維、サービス、非鉄金属、ガラス・土石製品、石油・石炭製品など19業種が上昇。不動産やその他金融、パルプ・紙、食料品、保険、陸運など14業種は下落。東証1部の売買高は21億7480万株、売買代金は2兆1069億円で、代金は3営業日ぶりに2兆円の大台に乗せた。上昇銘柄数は906、下落は920。

  売買代金上位では、半導体事業の入札には新会社の企業価値を2兆円超と見積もることが条件、と22日付の日本経済新聞が報じた東芝が急騰。楽天も大幅高し、両銘柄でTOPIXを0.98ポイント押し上げた。このほか、炭素繊維関連事業の強化やみずほ証券の投資判断引き上げを材料に東レ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が判断を上げたJFEHDも高い。半面、家賃減収を受け大家が提訴すると朝日新聞が報じたレオパレスが下落、キーエンスやファナック、味の素、アサヒグループホールディングスも安い。

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