債券上昇、日銀オペへの安心感で中期堅調-20年入札の先回り的買いも

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  • 新発2年債利回り一時マイナス0.27%と、昨年11月以来の低水準
  • 日銀はコミュニケーションを取り直していく感じ-SMBC日興

債券相場は上昇。日本銀行が市場の予想通り中長期ゾーンの国債買い入れオペを実施したことで、オペ減額観測が後退した中期ゾーンが買われた。20年国債入札を翌日に控えた超長期ゾーンには先回り的な買いが入ったとの見方が出ていた。

  22日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比横ばいの149円97銭で取引開始。午前の日銀オペ通知後に150円12銭まで上昇。午後の開始後にはオペ結果を受けて150円18銭と日中取引ベースで1月25日以来の高値を付けた。結局11銭高の150円08銭で引けた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「残存1年超5年以下のオペが今月6回に戻ることがほぼ確定した。1月は市場を試す形で減額されたが、10年金利が想定レンジを逸脱して結果的に買い入れが膨らんだため、いったんもとに戻る感じだ」と指摘。「慎重だった投資家も動き出した。20年ゾーンは最も割安で魅力的だ」と言う。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低い0.08%と、1月31日以来の低水準。2年物の373回債利回りが一時2.5bp低下のマイナス0.27%と、新発債として昨年11月9日以来の水準まで買われた。新発5年物の130回債利回りは2bp低いマイナス0.12%と、1月25日以来の低水準を付けた。

  超長期ゾーンでは、新発20年物の159回債利回りが2bp低下の0.685%、新発30年物の53回債利回りは2bp低い0.895%、新発40年物の9回債利回りは2bp低い1.055%まで下げた。みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、20年債入札について「短期的に上値を追うのは避けたいが、0.7%程度なら割高感もない」として、「入札を前に先回り的な買いが入った」と言う。

日銀オペと市場との対話  

日本銀行本店

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  日銀はこの日の金融調節で、残存期間「1年超3年以下」、「3年超5年以下」、「5年超10年以下」、物価連動債を対象とした今月8回目の長期国債買い入れオペを実施した。買い入れ額は全て前回と同額。応札倍率は「1年超3年以下」が上昇した一方、「3年超5年以下」と「5年超10年以下」はそれぞれ2倍台に低下した。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、日銀が前日に開催した市場調節に関する懇談会について「安定に向けたことを考えているという話。今日も中期オペのスキップが警戒されたが、変則的なことはやらないと受け止められた」と指摘。「日銀はコミュニケーションを取り直していくという感じなのだろう」との見方を示した。

  パインブリッジの松川氏は、「5年ゾーンは積極的な買い手もおらず、そこが揺れ動くと10年ゾーンの位置取りも変わる。5年や20年などサポーティングキャストがしっかりすることで10年もコントロールできることが見えてきたのではないか」と指摘し、「欧州の選挙を控えて市場の不安定化がちらついており、まずは市場安定化に舵を切っている」との見方を示した。

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