欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロが下落、フランス大統領選を警戒-ペソは上昇

  21日の外国為替市場ではユーロが下落。フランス大統領選に向けた世論調査の結果を受けて、ポピュリスト(大衆迎合主義者)の勝利の可能性が無視できなくなってきたとの見方が広がった。

  ドルは世界経済が再び加速し始めている新たな兆候を受けて騰勢を取り戻した。米金融政策当局者が早ければ来月の利上げの可能性があることを強調したことも買いを誘った。メキシコ・ペソは同国中央銀行がペソ防衛を示唆したために上昇した。同中銀は外貨準備を枯渇させることなくペソを押し上げると表明した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ユーロ指数は前営業日比0.6%低下。ユーロは対ドルで0.7%安の1ユーロ=1.0536ドルとなった。ドルは対円で0.5%高の1ドル=113円68銭。ペソは対ドルで1.7%上昇。

  フランス大統領選挙の極右候補、ルペン国民戦線(FN)党首はユーロ圏からの離脱について国民投票の実施を目指すと発言し、移民抑制と減税も打ち出している。世論で首位となっている同氏のほか、中道・右派のフィヨン元首相、無所属のマクロン前経済相、左翼党のジャンリュック・メランション氏、社会党のブノワ・アモン氏が3月20日に討論会に出席する。第1回投票は4月23日。

  米金融当局者は引き続き3月利上げの可能性を示唆している。ただ、市場が織り込む3月利上げの確率は38%にすぎず、5月利上げの確率は60%となっている。当局が行動した際に市場の過剰反応を避けるためには3月利上げの確率は50%近くまで上昇する必要があるとトレーダーの間ではみられている。
原題:Euro Index Close to Yearly Low as French Election Anxiety Grows(抜粋)
U.S. Stocks Add to Records, Dollar Gains With Oil: Markets Wrap(抜粋)


◎米国株:上昇、主要株価指数は過去最高値を更新-小売業の決算が好調

  21日の米国株式相場は上昇。主要株価指数は過去最高値を更新した。ウォルマートやホーム・デポなど小売業の決算が予想を上回り、個人消費が経済成長を押し上げるとの期待が強まった。原油価格の上昇を背景に、エネルギー株にも買いが入った。

  S&P500種株価指数は14.22ポイント(0.6%)上昇の2365.38。ダウ工業株30種平均は118.95ドル(0.6%)高い20743.00ドル。ラッセル2000指数は0.8%上昇した。

  ゴールドマン・サックス・グループは11月大統領選挙後に急速に高まった信頼感が、転換点に差しかかっているとみている。チーフ米国株式ストラテジストのデービッド・コスティン氏は「現実が金融市場を待ち受ける」と指摘。「税制改革から企業業績に吹く追い風は、当初予想されていたよりも弱く、時期も遅いという現実を投資家が受け入れるにつれ、S&P500種は最近の上昇分を返上するだろう」とリポートで説明した。

  S&P500種のセクター別では11指数すべてが上昇。米国債市場で10年債利回りが2.43%に下げたことを受け、不動産と公益は上昇に転じ、値上がり率の上位を占めた。原油価格が1バレル当たり54ドル台に乗せ、エネルギー株指数は0.7%上昇した。クラフト・ハインツがユニリーバ買収案を撤回したことを受けて、JMスマッカーやモンデリーズに買いが入り、生活必需品の指数は1%上昇。

  22日にはDISHネットワークやサザン、TJXの決算が発表される。
原題:U.S. Stocks Advance to Record High After European Shares Rally(抜粋)
U.S. Stocks Add to Records, Dollar Gains With Oil: Markets Wrap
Goldman Sachs Warns U.S. Stocks Are Now Reaching Peak Optimism

◎米国債:下げ縮める、欧州政治リスクで安全需要-ドイツ債に追随

  21日の米国債相場は下げを縮める展開。フランス大統領選挙の世論調査で、極右候補ルペン国民戦線(FN)党首が着実に支持を固めていることが示される中、ドイツ国債の利回りが低下。米国債もこの動きに追随した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前営業日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.43%。30年債は2bp上昇の3.041%。一時は、欧州の経済指標に反応して欧州債が下落したことを手掛かりに、米国債利回りは3-5bp上げる場面もあった。
  朝方発表されたマークイット米製造業およびサービス業の購買担当者指数(PMI)速報値が市場予想に反して低下したことに反応し、米国債は下げを縮め始めた。その後は仏大統領選の世論調査で、決戦投票でのルペン氏の支持率が初めて40%を上回ったことを受けたドイツ債の動きに追随した。

  米国債利回りはアジア時間に上昇を始めた。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁がマーケット・ニュース・インターナショナル(MNI)との17日のインタビューで、3月の利上げを支持する考えを示唆したことを受けた。総裁は21日の講演でも同様の見解を表明した。

  10年債は一時4.5bp上げる場面があった。

  財務省がこの日実施した2年債入札(発行額260億ドル)では、最高落札利回りは1.230%。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.82倍で、昨年8月以来の高水準。プライマリーディーラー政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の落札比率は20.1%、間接入札者の落札比率は49.8%となり、プライマリーディーラーの落札比率は8月以降で最低だった。
原題:Treasuries Pare Losses; European Political Risk Fuels Haven Bid(抜粋)

◎NY金:ほぼ変わらずで終了、ドル上昇を背景に一時は下落

  21日のニューヨーク金先物相場はほぼ変わらずで終了。3月の利上げはあり得るとするハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の発言を受けドルが上昇したことから、一時は下落した。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前営業日比0.02%安の1オンス=1238.90ドル、一時は1%下落する場面もあった。

  エレメンタルのトレーディング責任者、ブラッド・イ エーツ氏はハーカー総裁の発言について、 「市場が考えているよりも積極的だ。それは金利上昇、ドル上昇、金下落を意味する」。

  銀先物5月限は0.2%安の18.074ドル。プラチナ先物4月限はほぼ変わらずの1006ドル。パラジウム先物6月限は0.1%下げて780.15ドル。
原題:Gold Ends Little Changed After Falling on Strengthening Dollar(抜粋)

◎NY原油:8週ぶり高値、OPECが減産の完全順守に自信

  21日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸し、ほぼ8週間ぶりの高値。石油輸出国機構(OPEC)のバルキンド事務局長は減産合意の順守に自信を表明した。RIAノーボスチがロシアのノバク・エネルギー相を引用して報じたところによると、同国は約束した減産を4月末までに達成する計画。

  エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は電話取材に対し、「相場上昇に賭けてポジションを積み上げた投資家は多い」と話す。OPEC事務局長が「減産延長の可能性を匂わせている」ことは、価格にプラスに働いていると指摘。「市場は今のところ、そこまで要求していないとしても、そうなればいいと期待している」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前営業日比66セント(1.24%)高い1バレル=54.06ドルで終了。昨年12月28日以来の高値。同限月はこの日が最終取引。中心限月の4月限は55セント高の54.33ドル。ロンドンICEの北海ブレント4月限は48セント(0.9%)上昇の56.66ドル。
原題:Oil Closes at Eight-Week High as OPEC Aims for Full Output Cuts(抜粋)

◎欧州株:1年2カ月ぶり高値、景気への楽観で-HSBCは大幅安

  21日の欧州株式相場は上昇し、指標のストックス欧州600指数は1年2カ月ぶり高値を付けた。エネルギー株の上昇や、ユーロ圏の景気回復がより広がっていることを示す経済指標が寄与した。

  ストックス600指数は前日比0.6%高の373.40で引けた。石油・ガス銘柄が堅調。石油輸出国機構(OPEC)のバルキンド事務局長が、加盟国は減産合意を完全に順守する意向だと述べたことが手掛かり。一方、指数寄与度の高い英銀HSBCホールディングスが2009年以来の大きな下げとなり、指数の上値を抑えた。四半期利益が予想を下回ったことが嫌気された。

  ストックス600指数の業種別指数では銀行株を除き全ての指数が上昇。自動車株も大きく上げた。IHSマークイットが発表した2月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値は予想外に上昇し、ほぼ6年ぶりの高水準に達した。これを手掛かりにドイツのDAX指数は1.2%上げ、2015年4月以来の高値で引けた。
原題:European Stocks Rally as Economic Optimism Eclipses HSBC’s Slide(抜粋)

◎欧州債:総じて下落、PMIがインフレ加速を示唆-ギリシャ債は続伸

  21日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて下落した。域内の製造業とサービス業を合わせた経済活動を示す指標が2月にほぼ6年ぶりの高水準を記録。これでインフレが加速し、欧州中央銀行(ECB)が資産購入プログラムを縮小するとの観測が強まった。

  指標とされるドイツ10年債利回りは約1カ月ぶりの低水準から上昇に転じた。同年限のフランス債利回りは3日連続で上昇。IHSマークイットが発表した2月の仏総合購買担当者指数(PMI)速報値は予想に反して上昇した。
 
  一方、ギリシャ国債は続伸。債権者側が支援策をめぐる協議再開で一致し、合意に向かいつつあるとの楽観が広がったためだ。

  ウニクレディト(ミラノ)のユーロ圏担当チーフエコノミスト、マルコ・バリは「力強い内容だった経済データとエネルギー主導による消費者物価指数上昇で、ECBがハト派的な論調をやや弱め始める可能性が高まった」とし、「政策委員会内でフォワードガイダンスをどのように調整するかの議論が既に活発で、次の一歩は政策金利に対する緩和的なバイアスを取り下げる判断となる可能性がある」と語った。

  IHSマークイットが発表した2月のユーロ圏総合PMI速報値は56.0と、1月の54.4を上回った。エコノミスト調査では54.3への低下が見込まれていた。22日発表される1月のユーロ圏インフレ率改定値は1.8%と、2014年2月以来の高水準が予想されている。

  ロンドン時間午後4時17分現在、ドイツ10年債利回りは前日比1.7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.31%。20日には1月17日以来の低水準を付けていた。2年債利回りは1.9bp下げマイナス0.86%。過去最低となるマイナス0.867%を付ける場面もあった。フランス10年債利回りは2.6bp上げて1.09%。 

  ギリシャ2年債利回りは130.7bp低下の8.16%。一時は149bp低下し7.99%となった。

* ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください。
原題:European Bonds Decline as PMI Data Point to Faster Inflation(抜粋)
French Bonds Fall, Curves Steepen; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

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