21日の東京外国為替市場のドル・円相場は上昇し、1ドル=113円台後半まで水準を切り上げた。米連邦準備制度理事会(FRB)高官から追加利上げに積極的な発言が続いていることや、トランプ政権の税制改革への期待感による株高を背景に、ドル買い・円売りが優勢となった。

  午後3時10分現在のドル・円は前日比0.4%高の113円56銭。朝方に付けた113円09銭から徐々に水準を切り上げ、午後に入って一時113円71銭と16日以来の水準までドル高・円安が進んだ。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%高。

  SBI証券市場金融部の相馬勉部長は、「ドル・円は上に行く前の準備という感じ。米国の経済指標は良く、金融当局は利上げしたがっている。商品市況も悪くないので、ドルが強くなっても新興国は耐え得るとの見方からリスクオンの動き」と説明。「米税制改革への期待感が強く株価は先行して強い。一般教書演説で明らかになるタイミングか」と語った。

  米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI)とのインタビューで、次回の利上げ時期に関して、「現時点で3月を排除しない。われわれは今後数週間の展開を見極める必要がある」と述べた。

  FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、「材料は株が比較的堅調なこと、ハーカー総裁の3月利上げ関連発言くらい。先週金曜と月曜朝に112円台まで下げたので、そのショートカバー(売り建ての買い戻し)が続いている程度」と述べた。

  21日の米国時間には、ハーカー総裁のほか、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁やサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が講演する予定。

  米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した利上げ予想確率によると、3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性は21日時点で36%と、前日の34%から上昇している。

  この日の東京株式相場は続伸。TOPIXは前日比0.6%高の1555.60で取引を終えた。

  前日の米国市場は、プレジデンツデーの祝日で株式・債券市場が休場。為替市場でドルは小動きに終始した。

  FXプライムbyGMOの柳沢氏は、ドル・円について、「今週は材料が多くないので、売り材料よりはFRB関係者発言やFOMC議事録などで利上げ期待のドル買いの方が出やすいのかもしれない」と分析。ただ、「フランス大統領選でルペン氏有利との観測が強まっていることが上値を抑える材料になるため、114円台は重くなる」と予想している。

円、ドル、ユーロ
円、ドル、ユーロ
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.3%安の1ユーロ=1.0587ドル。フランス大統領選など欧州政治への懸念が重しとなり、一時1.0577ドルと15日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた。

  オピニオンウェイが毎日集計する世論調査によると、20日には第1回投票における極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首の支持率が1ポイント上昇して27%。マクロン前経済相とフィヨン元首相はいずれも20%で変わらずだった。

  SBI証の相馬氏は、「欧州経済には問題はないが、政治への警戒感があるので、ユーロは買えない。昨年のBrexit(英国の欧州連合離脱)のこともあり、オランダ下院議会選挙に続き、フランス大統領選などで何が起こるか分からず、警戒感がある。ドルが堅調なので、ドルの方が安全という見方」と指摘。「良いのはドイツだけで、ドイツ国債が買われているが、リスクオフの動きだろう。2大中核国の一つであるフランスの国債が売られており、切羽詰まっている印象。市場は危機感を持っている」と語った。

  欧州では21日、2月のユーロ圏総合PMI速報値が発表される。ブルームバーグ調査によると、54.3への低下が見込まれている。1月は54.4だった。

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