歴史が手掛かりになるとすれば、債券投資家はトランプ政権が米経済をフル稼働させ、米国債利回りを年末まで押し上げるという賭けにのめり込むことには慎重になるべきだろう。

  インフレ率上昇の兆候を受け米金融当局による利上げ観測が高まる中、一部の年限では利回りが今年最高の水準にある。だが、米国債市場の目利きたちはリフレトレードの耐久力についてなお疑問を抱いている。その論拠は単に長年続いた季節的パターンで、年初は債券に厳しい状況になりがちだが、その後数カ月に利回りの低下が続くケースが一般的だという。

  BMOキャピタル・マーケッツの計算によると、米10年債利回りが年初4カ月間に平均で上昇したのは1990年代と2000年代。その後、9月半ばまでは低下に向かう傾向が90年代と2000年代、2010年代の3つの期間でいずれも見られ、平均で38ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の低下だった。2010年代は年初4カ月間に利回りが低下しており、世界の主要中央銀行による異例の債券購入プログラムと時期が重なるという。

  こうした季節的傾向が意味を成すのは、「5月に売って市場を離れろ」という株式市場格言にあるタイミングに符合し、5月以降に株式相場が下振れしやすいことが一因だ。

  BMOの米金利戦略責任者、イアン・リンジェン氏は「季節的パターンは歴史的に米国債市場に意味のある影響を与えている」と指摘。「私はトランプノミクスを根拠に大幅下落が見込まれる確率を考える際に季節的傾向を確実に尊重する」と述べた。

  季節的パターンは2017年に繰り返される可能性はある。10年債利回りは2.41%と、年末からほぼ変わらない水準にあり、昨年12月に付けた2年半ぶりの高水準からさほど離れていない。インフレ期待を示す市場の指標は2014年以来の高水準付近にある。

  季節的パターンを支え、利回り上昇予想を覆す落とし穴もあり得る。トランプ大統領が約束した減税やインフラ投資に関する議会審議を早期に前進させられる保証はない。大統領が「驚異的な」税制プランを発表する約束を果たしたとしても、地政学的問題が債券市場の弱気派を圧倒するかもしれない。今後数カ月の欧州の選挙をめぐる政治リスクを背景に、安全資産としての米国債の需要に弾みがつくとの見方もある。フランス大統領選挙で極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首の掲げる政策がユーロの安定を脅かす恐れもある。

原題:Three Decades of Bond-Market History Sow Doubt on Reflation Bets(抜粋)

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