海面上昇や永久凍土の溶解、スーパーストームなど、気候変動が21世紀にもたらしかねない脅威の一つに、欧州の指導者らは前世紀を最も脅かしたリスクを持ち出した。戦争だ。

  地球温暖化が及ぼす結果を環境面に絞り過ぎると、軍事的な脅威を過小評価することになりかねないと、ミュンヘンで先週末に開かれた安全保障会議で欧州や国連の当局者らが指摘した。このような警告は、気候変動が資源や国境をめぐる紛争を引き起こしかねないとの防衛・情報機関の結論を受けてのものだ。

  エスピノサ国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局長は同会議で、「気候変動は社会の混乱、ひいては武力衝突のレベルに増幅しかねない脅威だ」と発言した。この会議には米国からマティス国防長官やケリー国土安全保障長官も参加した。

Source: Met Office Hadley Centre and Climatic Research Unit, University of East Anglia
Source: Met Office Hadley Centre and Climatic Research Unit, University of East Anglia

  気候変動による軍事紛争の「火種が集中する地域」としてフィンランドのニーニスト大統領がパネル討論会で挙げたのは北極圏。気温上昇で氷が溶け、地表に出てきた天然資源をめぐり、ロシアなど一部の国が争うだろうと予想。「緊張は高まる」と述べた。

  同会議でロシア側当局者は欧州との平和的共存を望むとし、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」を守ると言明した。一方、トランプ米大統領はパリ協定からの脱退をうたっており、新政権は化石燃料企業を対象とする規制の緩和に動いている。

原題:War Is the Climate Risk That Europe’s Leaders Are Talking About(抜粋)

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