世界の投資家が今年抱いている株価への期待は高過ぎるかもしれない。

  株価は上昇してきたが、企業が増益期待に応えられず相場に最大のリスクをもたらす場合に備えて、アナリストは予想水準を引き下げる必要があるかもしれないと、スカンジナビア最大の銀行、ノルデア銀行で株式350億ユーロ(約4兆2000億円)相当を運用するロバート・ネス氏はみている。

NY証取の取引フロア
NY証取の取引フロア
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  同氏は15日のオスロでのインタビューで、株式市場は「楽観的過ぎる」として、「株価は高過ぎる。自分の見方が正しいとかなり確信している」と付け加えた。
 
  中国経済安定化の兆候に加えて、米トランプ政権によるインフラ投資拡大・規制緩和・減税への期待を背景に、株価は上がってきた。米S&P500種株価指数は昨年2月の安値から28%値上がりし、株価収益率(PER)は21倍余りと、2009年以来の高水準に達したことがブルームバーグ集計データで分かる。これはネス氏(52)によれば、「少々、高過ぎる」。

  決算の売上高の伸びにだまされてはならないと、ネス氏は警告。失業率低下で賃金が上昇し、それが収益を圧迫するからだという。利益率は既に高水準で、企業利益見通しを下げるべきだと同氏は主張する。

  ネス氏らは何千もの企業をクオンツ分析の対象とし、約100銘柄で構成するポートフォリオを構築。これら銘柄は収益も安定し価格も高くもない「退屈な」銘柄だが、この運用で昨年のグローバル・ステーブル・エクイティー・ファンド の成績はプラス11%になったという。過去5年の平均リターンはプラス16%で、同種ファンドのうち96%を上回っている。

  同ファンドは今年に入り、米eベイへの投資を拡大した。昨年最も増やした銘柄にはウォルグリーン・ブーツ・アライアンスやウォルト・ディズニー、ベライゾン・コミュニケーションズ、アップルが含まれる。ネス氏は「安定している株式銘柄を保有するのは常に良いことだ。長期的にリターンが向上するからだ」と話した。

  ネス氏はまた、トランプ政権の政策変更によって起こりかねない貿易紛争などのリスクを市場は「あまりに軽視している」とも懸念。「市場がかなりプラスに受け止めていても、トランプ政権には依然としてリスクがある。前よりもリスクは高い」と話した。

原題:Stock Manager of $37 Billion Doesn’t Believe the Earnings Hype(抜粋)

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