マネーの流れを追え。ワシントンでは使い古された言い回しだ。

  今のウォール街でマネーの流れを追うとすれば、ホワイトハウスが陥っている混乱にもかかわらず、金融市場がなぜこうなっているのか理解に苦しむだろう。

  ロシアの介入やマイケル・フリン氏の辞任、トランプ大統領のツイッター投稿、CNN報道にもかかわらず、株式市場はドナルド・トランプ米大統領の下で次から次へと最高値を更新した。確かに最初の1カ月、政権運営はトラブルに見舞われた(大統領本人は16日に、「整備の行き届いた機械のように運営されている」と主張しているが)。それでも相場は上昇している。大統領就任早々の市場としては、リンドン・ジョンソン大統領以来で最高のパフォーマンスだ。

  株価収益率や強気相場の長期化などさまざまな要素を挙げて、株価はこれ以上は上昇しない、トランプ波乱に市場は屈する、そうなるはずだとの悲観論もある。経済に活気があるのはホワイトハウスでふんぞりかえっている男ではなく、何年にもわたる金融緩和のおかげだという主張は説得力があるだろう。株式相場というのは右肩上がりが普通だ、何を今さらと言われるかもしれない。

  しかし投資家に話を聞くと、違う言葉が返ってくる。今は何年かに1度しか訪れない絶好の買い場だと。

  「8年間の悪夢からようやく目を覚ましたような気分だ」と、シュルツ・アセット・マネジメントを創立したジョージ・シュルツ最高投資責任者(CIO)は語る。同氏はトランプ大統領について、「好き嫌いは別として、これまでにやると決めたことはやり通してきた男だ。ビジネスマンとして成功しており、意欲的な計画を練っているようだ」と称賛した。

アニマル・スピリット

  S&P500種株価指数は昨年11月の大統領選挙以降、10%近く上昇し、オバマ前政権下で始まった強気相場は今年3月で9年目に入る。2月16日の終値は、金融危機が深刻化する前の2007年10月に付けた高値を50%上回っている。

  政治的な支持・不支持はともあれ、トランプ氏はその存在だけで経済にアニマルスピリットを吹き込んだ。そもそもその経済は、ほとんどの指標において順調だった。トランプ効果がさらに株価を押し上げる兆候なのか、あるいは投資家がいずれ劇的な転落を迎える兆候なのか。

  ウェルズ・ファーゴ・プライベートバンク(カリフォルニア州ランチサンタフェ)のエリック・デービッドソン最高投資責任者(CIO)は、「顧客から寄せられるコメントの90%以上は最近まで、うまく行かなくなるはずはないだろう、という類いのものだ」と話す。「かつて投資家は自分の影に怯えてたが、今ではずっと楽観的になっている」と述べた。

  トランプ政権とロシアのつながりや、移民政策への非難が渦巻いているが、投資家は結局のところ、気にしていないようだ。少なくとも投資の決定は左右されない。

  「先行きは不透明で心配だとの声は多い」と、プレミア・プランニング・グループ(ペンシルベニア州フェニックスビル)のマネジングパートナー、フランク・ヘネシー氏は話す。「しかしそう言う人がどのように投資するかは、まったく違う話を物語っている」と述べた。

原題:‘In Trump We Trust’ Is Market Mantra as Chaos Besets White House(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE