債券先物上昇、欧米金利低下受け-超長期ゾーンは20年入札警戒で重い

更新日時
  • 先物終値5銭高の149円96銭、30年債利回り0.92%と1年ぶり高水準
  • 動意が薄い中、20年入札を吸収できるのか不安ある-パインブリッジ

債券市場では先物相場が上昇。前週末の欧米市場でリスク回避の動きから長期金利が低下したことを背景に、買いが優勢となった。一方、20年債入札への警戒感から超長期ゾーンは上値が重くなり、相場全体の重しとなった。

  20日の長期国債先物市場で中心限月3月物は、前日比8銭高の149円99銭で取引を開始し、直後に150円02銭まで上昇した。その後は上値の重い展開が続き、結局は5銭高の149円96銭で引けた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「先週末の欧米金利の低下を受けて小高く始まったが、20年入札を控えて様子見気分が強く、午後は重くなった」と指摘。「円債市場は参加者が少なく動意が薄い中、20年入札を吸収できるのか不安もありそうだ。背景には、日銀のイールドカーブ・コントロールがいずれ崩壊するとの見方や、今は米債の方が魅力的との見方もある」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値と横ばいの0.085%で開始。午後は0.5ベーシスポイント(bp)高い0.09%で推移した。

  新発20年物の159回債りは横ばいの0.705%。30年物の53回債利回りは0.92%と、新発として昨年2月以来の高水準を付けた。新発40年物の9回債利回りは1.075%と、前週末に付けた1年ぶり高水準に並んで推移した。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「先週末からの円高や米金利低下を受け、債券先物は強いが、現物の取引は閑散としている。日銀のオペで右往左往する感じではなくなってきたが、それ以外の手掛かりに乏しい状況だ」と話した。

  17日の米国債相場は上昇。米10年債利回りは前日比3bp低下の2.41%程度で引けた。英国やドイツ国債の大幅高に連れて買いが入った。英小売売上高が予想外に減少したことに加え、フランス大統領選で左派の連合見通しを受けて極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首が勝利する確率が高まったため、安全な資産を求める動きになった。

  パインブリッジの松川氏は、「欧州の政治リスクが徐々に意識されてきた。これまでトランプ減税などを期待してリスクオンだったが、先週末から潮目が変わった感じだ」と話した。

日銀国債買いオペ

日本銀行本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀はこの日の金融調節で今月8回目となる長期国債買い入れオペを通知しなかった。もっとも、市場ではこの日は通知がないとの見方が出ており、債券相場への影響は限定的だった。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「今日日銀オペを実施するなら、回数を通常よりも増やす必要があるが、回数を増やしてまで対応しなければいけないほどの金利上昇は発生していない」と説明した。

  今週の債券市場では、23日の20年債入札が焦点となっている。野村証の中島氏は、「20年入札を無難に通過できれば、2月末のインデックスの伸びが大きいので年金の買い、3月に入れば生保の超長期買いで、超長期の金利上昇はいったん止まるかもしれない。しかし、20年入札が不調に終わると、12月のように超長期が調整し続ける可能性もある」とみる。

  SMBC日興証の竹山氏は、「20年債入札は需給的なイベント。投資家層が多様なゾーンなので大きく崩れるとは考えにくい。ただ、イールドカーブ的には悪くないし、ボラティリティが低い中でリスクはそれほど高くないはずだが、積極的な買いが入ってこない」と話した。

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